2023年10月12日 PR
実はスタートアップでの勤務経験を持つ森澤恭子・品川区長と、自らスタートアップを共同創業した一般社団法人五反田バレーの中村岳人代表理事。いまや新進気鋭の起業家のまちとなりつつある五反田・大崎エリアだが、両氏は地域のさらなる発展に向けて連携する官民双方のキーマンとも言える。
そんな中、お二方による五反田バレー対談が実現。ここでは、区のWEBサイトで掲載された内容をもとに再構成し、ダイジェストとしてお届けしよう。
品川区との連携のもと地域への貢献を目指す「五反田バレー」の活動内容
森澤各方面から注目を浴びている五反田・大崎エリアですが、もとは「起業するのに手頃な物件が多かったから」という理由で人気だったわけですよね。
中村 以前はそんな感じでしたね。山手線沿線で予算に見合うエリアで、新幹線や飛行機にもアクセスしやすいですから。また、暮らしやすい住宅街が近いので、社員にも喜ばれますし。
森澤 五反田バレーはどんな活動をされているのですか?
中村 地域内の交流を束ねてのコミュニティ活動を推進しています。ビジネスマッチングの交流イベントやエンジニア確保のための採用イベントを品川区と共催したり、区立の日野学園で中学生向けにスタートアップの仕事を紹介するジョブツアーなどにも協力して実現してきました。地元の商店街や企業との連携や実証実験の実施についても、区にご協力いただいています。
森澤 新しいことに挑戦する勢いある会社が集まるのは、地域経済の盛り上がりにつながりますので、私たちとしても大歓迎です。価値観やニーズが多様化する現代は、地域社会の課題を行政単独で解決するのは難しい時代で、技術やアイデアをお持ちの皆様と連携しながら、どうすれば解決できるのか、イノベーションが生まれやすい環境を実現できるのかについて、一緒に議論を深めていければ嬉しいです。
中村 官民の連携が強まるのは素晴らしいのですが、その一方では行政に頼り過ぎてはいけない気もします。自治体の目線でスタートアップ支援を考えてしまうと、企業が本当に必要とすることとギャップが生じるかも知れません。
森澤 同感です。たとえば企業に対し、地域や情報のハブやコーディネーター役になるなど、行政にしかできない役割を担う必要があるように思います。また、創業期の企業は実績がないわけですから、地域課題や行政課題に対して一緒に取り組める仕組みづくりなども有効でしょう。ただ、法律や条例でできないこともありますので、意欲的な取り組みに対しては規制緩和の働きかけや認定制度の創設なども検討していきたいですね。
中村 それはありがたいです。先のコロナ禍でも、区にご協力いただきながら地元商店街でスタートアップ支援を実施しましたが、五反田バレーへの認知が十分でないことがよく分かりました。ビジネスの世界ではよく知られているスター企業でさえ、地元では知名度が低いままという例もありますので、行政の橋渡しがあれば話がより円滑になると思います。
森澤 あとは、人事交流や実証実験などでの連携にもトライしてみたいですね。たとえば東京都では、行政課題を具体的に提示して事業者に解決案を求める方法を採用しています。この手法であれば、福祉分野のデジタル化のような課題やニーズをスタートアップに提示して、解決策の提案を受けた上でマッチングに乗り出すといった方策も可能になります。
中村 よいアイデアだと思います。案を持っていてもどう声をあげればよいのか分からない企業も少なくありませんので、場を設けてみてはいかがでしょうか。提案もさることながら、まず互いの考えを確認するだけでも意義があると思います。
森澤 よいですね。企業にどんな技術やシステム、方法論があるのかを把握できていれば、行政としても活用を考えやすくなります。行政と協力して社会課題の解決を目指せる基盤があれば、企業から見た品川区はさらに魅力的に映るのでは。
中村 地方のスタートアップ支援策では社会課題への取り組み実験を推進しようという例をよく見かけますが、東京23区では少ないように感じます。もちろん資金面や諸手続きに関する支援もありがたいのですが、そうした面でも品川区の特色を打ち出せると面白いですね。
森澤 現在、品川区では4つの重点施策のひとつとして『歴史と伝統を未来へつなぐまちづくり経済と環境が両立するSDGsしながわ』という理念を掲げています。持続可能な社会づくりに向けたスタートアップとの連携の一例として、子どもたちの起業家教育なども推進できればと思っています。
中村 五反田バレーでも一部の学校と連携を始めてはいますが、教育分野で力を発揮できるスタートアップ企業はあると思います。
森澤 ある子育て支援団体が、子どもの手づくり商品や、自分たちで考えたサービスで出店するというフリーマーケットを企画しました。出店希望は想定を上回り、団体の方が「品川区の子どもたちはクリエイティブな意欲が旺盛だ」と評価するほど充実していたそうです。
中村 起業自体を身近に感じてもらえそうですよね。実際の起業では、数年前の倍もの資金を調達できるケースが増えていますので、自分のビジネスアイデアを実現しやすい環境があることを早いうちから教えることはとても有意義
だと思います。また、最近は学校での金融教育も始まっていますが、起業家の視点では税金の仕組みなどについても早い段階で知っておきたい知識ではないでしょうか。
森澤 今の子どもたちは、社会課題への意識が高いと感じます。子どもが区立の小学校に通っていますが、「“会社”を設立し、優良企業に認定してもらうためのプレゼンテーション」をするなんてこともあるようです。若い世代が「将来は企業に勤めるだけじゃない」「もっと多様な選択肢がある」と知ることは、日本全体の活力を考える上でも焦点のひとつになると考えます。
中村 もっと起業に挑戦しやすい環境を整えるために、何か新しいことはお考えですか?
森澤 すでに実施している創業支援のほか、たとえばメンターやコーチなど「伴走者」を確保できる仕組みというのはいかがでしょうか。自治体の中には、官民共働型の創業支援施設を用意してプレシードやアーリーステージの段階にある企業に事業計画や資金政策、成長戦略などを指導・支援を行うケースがありますが、それに加えて伴走型のサポートやメンタリングがあれば、経営者の心理的な負担を軽減できるのではないでしょうか。
中村 とてもよいアイデアだと思います。私自身の経験では、新卒で入社した会社では起業を意識することはありませんでしたが、スタートアップ企業で経営者やスタッフたちと接していると、起業は自分にも関係があることと感じるようになりました。仰る通り、メンター制度や創業支援プログラムなどを通じて起業の知識や実体験をリアルに理解できる機会があれば、より多くの人々のモチベーションを刺激するきっかけになるかも知れません。
森澤 そう考えると、起業1年目からサポートを受けたり、刺激し合える仲間たちと交流できるコミュニティを実現した五反田バレーの存在は、とても大きいですよね。
中村 小さなスタートアップ企業が集まるところから始まりましたが、現在では株式上場を果たした先輩企業もありますからね。さらに地域の大手企業やVC、そして行政ともつながることで、大きなエコシステムができつつあります。その輪をさらに広げ、関係を深めていければ起業の事例を増やすことにつながりますし、エネルギーが波及すれば地域全体の活性化も呼び込めるはずです。まずは官民で一緒にできることをリストに落とし込み、タスクとして取り組んでいきたいですね。
森澤 大賛成です。品川区はさらなる発展へのポテンシャルを秘めていると実感していますので、女性や子育て世代も含め、若いエネルギーで一緒に地域を盛り上げていきましょう。
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2024年10月25日 発行
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