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写真を糧に生きている人を写真家と呼ぶ【写真と生きる】

写真を糧に生きている人を写真家と呼ぶ【写真と生きる】

2019年11月28日

-人の中にいること-

5素 企業広告 新聞(2002年撮影)

[白鳥]
でそういう人とかお金の流れを見ているのが、僕が独立したきっかけなんだけど。煽られるんですよ。アートディレクターとかに、 早くフリーになれよ、仕事は有るよって。

[黒田]
会社員時代は、自分が前に出ていこう自分の写真で食っていくぞっていう野心的な感じよりかは…?

[白鳥]
押し出された感じだよね。

でも会社員が楽しかった。安定した給料もありますしね。でもそこで1回は勝負しなきゃってなって。周りの人が後押ししてくれた部分もある。

[黒田]
そこはいろいろ繋がる部分がありますよね。あと白鳥さんは僕が知る限り異常なほどに人望があるじゃないですか。傍目でこの人はいったい何なんだって思ってましたよ。

[白鳥]
喧嘩しないっていうのは1つの主義なんだよね。昔、よく仕事しているヘアメイクさんに「白鳥さんね、そうはいっても1人じゃ写真は撮れないんですよ。いろんな人がいてみんなの力で写真を撮っていくんだから。やっぱりその人たちに感謝の気持ちも含めて接していかないと周りが離れていっちゃうよ」って言われて。

[黒田]
そんな尖っていたんですか!

[白鳥]
自分ではわかんないんだけどね。そんなイライラしてたのかって反省しちゃって。そしたらそのうち、ここでは言えないんだけど、いろいろ助けてあげたり仕事振ってあげる後輩もできて。そういうことに対してすごく恩義を感じてくれて。

[黒田]
すごいですね、感じますよそれは。

[白鳥]
それは見返りを求めずに、男としてこうした方がいいなって思ってしただけの話でね。他の職業でも同じことをしていたと思うし。

[黒田]
やっぱりそこの人間性もそうですけど、何かの反発であったりするんですかね。行動につなげる力というか。白鳥さんの爆発力というか、見えてきますね。

[白鳥]
仕事が広告だからね。まあ、別に自分のお金で自分の作品の展覧会やるならそれでいいけど。広告って目的があるので。お客さんが「今日味噌汁食いたいんだよね」っていうのに「いやあ今日はビーフシチューがおすすめですよ」とは言えない。だから日本1美味しい味噌汁作るにはどうするかっていうと、自分のスキルで全力で作るんですよ。

[黒田]
理詰めの話じゃないですけど、相手の気持ちを汲み取ってあげるみたいな。すごくウェットに、自分ごとのように捉えられていますよね。

-情熱のコントロール-

6サッカーリーグ 「格闘技宣言。」 ポスター(1984年撮影)

[白鳥]
うーんまあ、浪花節なんだよね。

[黒田]
生まれはどちらなんですか?

[白鳥]
長野県の松本。

[黒田]
なるほど。松本のことを1ミリも知らないので何も言えませんでしたが、なんかすごく男って感じがしますね。

[白鳥]
そう。すごく映画好きだからね。

[黒田]
なるほど。どの辺を?寅さんとかですか?

[白鳥]
西部劇でも、寅さんでもそうだし、人間として崩しちゃいけない部分と、逆に流していいところとかを学んだ気がするな。1番影響があったのは時代劇かもしれないね。東映の時代劇かな?勧善懲悪だし、正義は勝たなきゃいけないし。

[黒田]
そういう正しいことに対する情熱だったり、熱量だったりが高いってことなんでしょうね。やっぱり普通到達できないところに行くと大変な時期とか悩みとかも人間あると思うんですけど。そこら辺をうまくハンドリングされてないと、才能と技術の両立って難しい気がして。そういうのができている人たちってどういうマインドセットなのかっていうのが気になってしまいますね。

白鳥さんはそういう課題に対して利己的にアーティストとしてやっていくというよりかは、周りの人とか身近な人と共に歩んで行くようなスタイルなのかなと感じました。

少し意外ではありましたが。フォトグラファーとかアーティストの人ってある種、エゴイストじゃなきゃいけないと思っているんですけど、それを感じさせない温和さというか。APAの話でいっても、白鳥さんって会長12年くらいやられてるじゃないですか。すごくないですか。どういう人望なんだっていう。

[白鳥]
というか僕以前の人は2年程度で変わっていったんですよ。それはぶつかり合う個性的な人たちがいて、アンチの人たちお互い同志がひっくり返そうとしていたり。総会なんかがあると紛糾したりして。だから僕が会長になった時は、「喧嘩するのはやめよう」みたいな感じで。最初の2年くらいは少し燻ってたけど。

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