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写真は愛【写真と生きる】

写真は愛【写真と生きる】

2019年3月28日

生と死

4

[黒田]
僕には高井さんの言ってることの3割くらいしかわからないんですけど、言動だけじゃなくてよく謎なこともしている印象なんですよね(笑)スタジオに芋虫を放し飼いにしていたりとか。

[高井]
たまたまここにいるからだよ。

[黒田]
35年間生きていて、たまたま芋虫が部屋にいたことはないです。

[高井]
ここにアゲハが卵を産むの。

[黒田]
それはわかるんですけど、近くにいても芋虫は普通建物の中に入れないですよね。

[高井]
芋虫って外で放っておいたらすぐ食べられちゃうでしょ?だからこの家の中に芋虫を連れ込んで放置してる。

[黒田]
たまたまじゃない(笑)

[高井]
過保護なんだよ。

[黒田]
(笑) やっぱ、そこも愛ですね。そういうところがみんなに愛されるんでしょうね。しかし中でかくまってるとはいえ放し飼いですよね。死んでしまったら普通に捨てるんですか?

[高井]
死んだら土に返すよ。

[黒田]
なるほど。

[高井]
別に普通のことだよ。

僕はド田舎で育ったので外に遊びに行く時の動物とか植物は自分のペット感覚なの。魚を釣ればそのまま池で育てたり、鳥をとってきたら餌付けして飼ったり、犬だったら拾ってきてその辺で飼ったり。うちには豚もいたし、ヤギもいたし、うさぎもいた。ペットはお友だちではなくて遊び道具だったね。

[黒田]
とはいえ芋虫を放し飼いにしているのはすごいですね。遊び道具を放し飼いにしているんですね。

[高井]
そういうこと。

[黒田]
すごいな。あからさまな愛情ではなくシンプルに飼っていますよね。本当に無関心そうに飼っているのが面白いです。

[高井]
おそらくあまり愛したりしないんだよ。

[黒田]
どういう事でしょうか。

[高井]
僕はおそらく人間としてすごく冷たいんだよね。

[黒田]
そうなんですか?

[高井]
自分勝手で傲慢だと思う。飼っていた犬があまりにも状況が良くないような病気になった時にこのまま生きていてもかわいそうだなと思って安楽死させてくださいと頼んだことがある。

[黒田]
うーん、それは深いですね。ただその決断は愛がないとできないとおもいますけど。

[高井]
要するに遊び道具だから死んでしまいそうなら死んでしまった方がいいというすごく冷たい考え方なんだよね。

[黒田]
でもそれでいいと思いますよ。それが真実のような気がしますけどね。変に情に流される方がエゴというか、弱さだと思います。

[高井]
弟と相談して決めたんだけど、去年父親が死んだ時も延命のために父親に管をつけないでそのままに逝かせてあげてくれとお願いした。それでわざわざ命を永らえたって何もないと思ったから。

[黒田]
なるほど。尊厳死ってのはテーマが大きいですね。

[高井]
だから自然のまま何もやらないで逝っちゃった方が良いと思ったんだよ。

[黒田]
死ぬべき時に死ぬべきという考え方ですね?

[高井]
そう。

[黒田]
それは間違いないと思います。自分が逆の立場だったらそこで見込みもないのに長生きしたいとは思わないです。周りに迷惑もかけたくないし。

[高井]
そうだよね。そのまま逝かせてほしいと思う。

[黒田]
延命治療は今、問題になっていますよね。

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