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クリエイターとして仕掛ける未来【写真と生きる】

クリエイターとして仕掛ける未来【写真と生きる】

2019年2月22日

4 Silent BirdsのSNS活用

re_DSC03578-2Photo by Haru Wagnus

[ハル]
人間の感情というのはやっぱり不完全なほど強いので。記憶だって曖昧だし。そこにどうフォーカスできるかというのは結構重要だなと思っています。

だからこうビシッと決めた写真よりも動きがあってぶれてても凄く感情を揺さぶる写真の方がハマったりする。フィルム写真もしかり。

[黒田]
フォトグラファーの奥山由之さんとかもまさにそうですよね。

[ハル]
まさにそうですね。

アナログライクな、感情みたいな部分がデジタル社会にエモさとしてハマってるって感じがしますね。

[黒田]
確かに。自分がよく思うのはデジタルになって結構何でも見える化されて るじゃないですか。だから結構見えないことが重要視されてきているとい うか。重要視されてきているということを皆意識していないけれど、見えないところに惹かれるようになっていますね。

[ハル]
僕一回実験してみたんですよ。4SBのクリエイティブでサマーガールオーディションというのをやっているんです、モデルオーディションですね。

[黒田]
やってましたね。

[ハル]
そのモデルオーディションで、夏のサマービジュアルを撮るという企画をしたんですけど、あえて同じ日の撮影をデジタルとフィルムカメラどちら でも撮影して、ルックブックをデジタルだけとフィルムだけの2種類作った んです。

仕掛けとして面白いだろうなと思ったのは、デジタルのバージョンとフィ ルムのバージョン「どっちが好きですか?」みたいな問いかけをしたんで すね。それが大分バズったんですけど、結果的に​フィルムの方が好きとい う人が多かった​ですね。

フィルムの方はもちろんピントがずれたりとか、曖昧な感じがある。デジタルは勿論綺麗に撮れている。だけどデジタルが好きだという人も勿論いたし、どっちも好きだという人もいたんだけどフィルムの方が好きという人がちょっと多かったですね。そういうエモさみたいな部分がより出ている方が。

[黒田]
それは商業でもありますね。撮影の時とかフィルムとデジタルで撮影し、 そっと何も言わずにフィルムのデータも提出したらフィルムが採用された りとか結構あります(笑)

[ハル]
やっぱ多分、結局人間はアナログな部分に絶対惹かれる。どんだけデジタルが進んだって避けられないんだと思います。

[黒田]
なるほど、それいいですねえ。

[ハル]
また音楽の話に戻っちゃうんですけれど、音楽制作の現場においても勿論 デジタル化は当然進んで、デジタルで全部作れるは作れるんですけれど、 結局「音」、一音一音がクリアすぎたらあんまり惹かれないんですよね。

そこで、どうするかというとデジタルで作ったものを一回外にアナログと して書き出して、アナログのヴィンテージ機材とかそういったもので音に 倍音成分を足したりたした化したりとかザラッたした質感を足したりと か、色んな機材に突っ込んで、もう一回デジタルに戻します。

それで、よりファットな音になって、温かみが出たりとかアナログライクなサウンドになって帰ってくる。そうするといわゆる質感がついて、人間らしい、ハマる音になる。

アナログレコードを人間が好むように、人間のハートにどうすれば響くかというと結局アナログなんですよね。人間はアナログな存在ですから。アンドロイドのような機械の体じゃないので。

[黒田]
そうですね。

[ハル]
結局そこにハマっていくんですよ。

[黒田]
音って振動じゃないですか。振動な時点でアナログですよね。デジタル音源もいまだとDACの良し悪しで音質変わりますし。

[ハル]
ですね。​どこまでいったってアナログなんですよ。人間は。

[黒田]
それいいキーワードですね。いや面白い。

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