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写真で世界を変えようとした男【写真と生きる】

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2018年9月27日

訪れる500pxの転機

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[エフゲニー]
2009年ごろ初めて500pxのウェブサイトができました。まだ全然サービスも完璧じゃなかったけれど、着実に成長しつつありました。

翌年2010年に500pxをもっと大きなサービスにしようと決意したところ、500pxを取り巻く環境は大きく変わりましたね。

[黒田]
なるほど、いよいよ我々がよく知る現在の500pxに近づいていくわけですね。

[エフゲニー]
そうですね、フルタイムを500pxに使おうと決めたのも自分にとって大きな転機でした。

[黒田]
となると、全力で注力しだしたのは2010年の頃になるわけですか〜。

エフゲニー氏にとっての転機は、まさに500pxにとっての転機でもありますね(笑)

[エフゲニー]
いや本当にそうですね。その時からたくさんの投資家にも会いました。最終的に500pxのために2500万ドル(※1ドル=100円換算だと約25億円)の投資を集めることになりました。最高に忙しかったですね。毎日オフィスで寝泊まりして、睡眠時間は毎日2時間ほどだったかと思います(笑)

[黒田]
2500万ドル!?想像以上の額ですね。相当500pxは期待されていたんですね。

しかし2時間睡眠とは、ナポレオンよりも少ないじゃないですか(笑)

[エフゲニー]
自分一人では到底やっていけなくなっていたでしょうね(笑) 情熱を持ったメンバーが集まっていたからこそです。

そうそう、500pxの共同創業者 (Oleg Gutsol) は実はパーティーで偶然出会った友達なんですよ。趣味が凄く合って一緒にバイクでツーリングにも行ったし、ハイキングもしたし、プライベートの友達でもある仲間なんです。彼は生粋のプログラマーで、当時の役割分担は彼がバックエンドのプログラミングをして、僕がフロントのUI/UXデザインを担っていました。今思えば息のあった凄く良いパートナーでしたね。

[黒田]
素晴らしい!そしてうらやましい!(笑) UI/UXのデザインは自ら行なっていたのですか、前職が活きましたね。

[エフゲニー]
そうです。かなりデザインには気を使っていました。

当時のGoogleやYahooのデザインはけっこうひどかったんですよ(笑)

500pxは写真のためのサービスだから、デザインに徹底してこだわろうと決めて、いかに綺麗に、大きく、写真を見せられるかを追及しました。

同じくフォトコミュニティであるFlickrの写真は凄く小さく表示されていましたしね。

[黒田]
なるほど。とにかく写真にフォーカスしていたんですね。

たしかに今の500pxが当時の500pxと同じレイアウトかはわかりませんが、1枚1枚が大きく、写真を見るのを楽しめる印象です。

[エフゲニー]
結果的に500pxは破竹の勢いで成長を続け、驚異的な成長率が続きました。100%の成長率が続いたんです。それも毎月ね。

[黒田]
いや実に興味深いお話ですね。

[エフゲニー]
世界中のフォトグラファーが500pxに集まってきて、写真をシェアするプラットフォームが出来上がっていきました。

ちょうどその頃初めて TechCrunch (アメリカのビジネス系ニュースサイト)にも記事を書いてもらったんですよ。チームみんな大喜びでした(笑)

[黒田]
TechCrunchは夢ありますね〜。そして、成長の喜びを分かち合える仲間に恵まれていたのも素晴らしいです。

[エフゲニー]
はい(笑)

ただ、プラットフォームが大きくなるのは新たな問題との出会いでもあって、その頃だとサーバーとの戦いが始まりました。サーバーがパンクするのが怖くて、夜中でも数時間ごとに起きてちゃんと動いているかチェックしていました(笑)

投資資金を集めては、新しいサーバー代に使うような日々が続きましたね。マーケティングにはほとんどお金は使わず、とにかく開発にお金をかけていました。

[黒田]
世界的なコミュニティですもんね。

パンクは想像するだに恐ろしいです(笑)

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