2017年12月14日
[黒田]
まあまあ、でも三つ子の魂百までみたいな話もありますからね。写真を始めて、継続的に趣味としてって言ったらアレなんですけど、表現活動を楽しんでやられていると思うんですけど、フィルムで人を撮っているではないですか。なんでなんだろうと気になっていまして。
[護]
なんでですかね。難しいですね。20歳くらいの時は、デジタルをよく使っていたんですよ。趣味として1台くらいは持っていてもいいんじゃないかくらいの軽い気持ちで、友達同士で「持とうよ」みたいな。
ただやはり重たくて、持ち歩かなくなりました。カメラから一度は離れまして、何もしていなかったんです。写ルンですの話に戻るんですけど、現像を待っている時間ってもどかしいじゃないですか。待つ時間もあるし、久しぶりに触ったカメラが写ルンですという古典的ではあるものの誰でもきれいに撮れるカメラということと、距離感に惹かれたというか。
人を撮っているのは、基本的に女の子の顔が好きなんですよ。そう言うとちょっと偏見がありそうですけど、絵画みたいなもので、メイクの本とか女の子の写真集とかの収集癖がありまして、 1メートルとか75センチまでしか近づけない距離 っていいなって思っていまして。
[黒田]
距離!!!言うことが違いますね。かっこいいです。
[護]
根がロマンチストなので(笑)、なんかとてももどかしいなと思いまして。
[黒田]
共感ではないですけど、理屈は面白いですね。
[護]
写ルンですがあれだけブームになっているのって、もどかしさとか、回顧というのがあるって言われていますけど、私は距離感だと思っています。近すぎるとピントが合わずその子のことが見えなくなったり、でも離れると全体が写ったりしますよね。 友達以上恋人未満、片思いみたいな距離感 がいいなと思っています。
[黒田]
確かにその距離感に強制されてしまうということはありますね。
[護]
絶対に近づけないという、片恋のほうが美しいというものもあると思います。T2も70センチだったかな、くらいまでしか近づけないですし。
[黒田]
1メートルか70センチですよね。
[護]
たぶん70センチですね。ですので、ちょうどいいなと思っています。
[黒田]
脳みそがちょっと変わっているんですね(笑) 普通の人って、そんな発想します?
[護]
難しいほうが楽しいみたいな感じです。
[黒田]
いやー、かなり衝撃的な感性です。もどかしさというのは、あまり考えたことがありませんでしたが、そういう考え方もあるんですね、面白い!
[護]
黒田さんは今、フィルムもやっているじゃないですか。なんでなんですか?圧倒的にデジタルのほうが便利じゃないですか。
[黒田]
自分の場合は全然違うんですけど、探究心というか知的好奇心みたいなものが強くて、写真がうまくなりたいんですね。言い方は悪いですけど、シャッター押すだけじゃないですか。参入障壁の低い趣味だと思っていて。例えば絵とかって、落書きでもスキルがないと書けないじゃないですか。
写真は万が一、いい条件がそろってシャッター押しちゃったら、素人でもいい画は撮れてしまうんですよね。
[護]
万が一(笑)。
[黒田]
でも、圧倒的に魅力的な写真を撮る人達がいるわけじゃないですか。沢渡 朔*さんとかもそうですし。ということは何かあるんだろうなと思って、それを知りたいんですよ。それでデジタルから始めて、やっていくうちに歴史を学んで、フィルムだった頃の気持ちになってやってみないと見えないものがあるのではないかという期待と、やらずに判断できないということで始めました。
理屈では説明できない感情なんですけど、やっていたらちょっと面白くて、フィルムとデジタルを併用しているんですよね。仕事は広告とかが多いので、フィルムで撮る理由はないんですけど。作品とか雑誌の現場だとフィルムでもOKの場合もあるんで、両方で撮ってやっている感じですね。だからフィルムを使う理由は全く違うと思います。
もどかしさという点は、グサッときました。なぜ思いつかなかったという。とても分かるというか、「おー」ってなりましたね。
普段からそんな風に考えているんですか?
[護]
家族にも今年の初めにお正月に集まった時に、「写ルンですで撮っているんだよね」って言ったら、「なんでそんなコスパ悪いことをやっている?フィルムやるならちゃんとフィルムでやったほうがいい画が撮れるよ」みたいに言われたんですよ。
[黒田]
至極真っ当な意見ですね(笑)。
[護]
そう言われたんですけど(笑)、そこはちょっと小賢しいところがありまして…最近、 森川葵 *ちゃんとかを写ルンですだけで撮ったオムニバス写真集が売っていたの知っていますか?
[黒田]
展示をやっていたやつですかね?
[護]
そうですかね?9人の女優さんを、9人の写真家の方たちが、写ルンですだけで撮った オムニバス写真集 が出たんですよ。
去年から使い出した時に、絶対に写ルンですがバズってるから、写ルンですだけで撮ったらそれが注目されるだろうという考えからです。自分を売り込んでいかないといけないので、「写ルンですだけで撮っていたら絶対どっかに引っかかるから」って親に言ったんです。「今年、誰かが写ルンですで写真集を出すから」って力説していたんですよ。そしたらやはり出まして、どんどんやっていかないと先に手をつけた人に持って行かれちゃうぞという計算高いところがあったりします。
[黒田]
わかるというか大事ですね。
[護]
フィルムをやっている女優さんって多いじゃないですか。
[黒田]
そうなんですか?
[護]
モデルさんとかも敏感だから多くて、持っている子が多いんですけど、負けず嫌いなので、それならタレント業をやっている中でも、ある程度、抜きんでたほうが楽しいのではないかと思いまして。
[黒田]
そういう考えで良かったです。
[護]
というのもありますし、やっぱり単純に面白いという理由でもありますね。
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2024年10月25日 発行
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