2020年5月28日 PR
自宅はもちろんオフィスでも外出先でも、場所を選ばず季節も問わず、いまや私たちの日常風景に溶け込んでいる清涼飲料水。緑茶やコーヒーは言うに及ばず、スポーツ飲料から炭酸水までジャンルも銘柄も多種多様で、まさに百花繚乱の趣だ。市場規模を見てみると、2018年からは出荷額が実に4兆円を突破したとのこと。生産量で言えば、全国民が500㎖のボトルを毎日1本は飲んでいる計算になるそうだ。
さて、そんな清涼飲料業界だが、容器別の生産量はどうだろう。容易に予想できる通りペットボトルが突出しており、シェアは今でも高まり続けているようだ。それだけ気軽に携帯できる便利さが支持されているということになるが、過熱気味の環境問題にスポットライトがあたるたびに、胸がチクリと痛んだりする人もいることだろう。
環境共生の意識を高めることは現代人の必須課題だが、実は勇気づけられるデータもある。というわけで、ペットボトルのリサイクルに関する日本の現状について、簡単に学んでみよう。
ペットボトルが象徴する実はリサイクル大国の日本
身近なプラスチック製品であるペットボトルは、どうしても「使い捨て」になる性質上、何かと厳しい目を向けられがち。その一方で、私たちが想起する「分別ごみ」の象徴でもあるので、リサイクルボックスでは無意識で専用口を探すなど、意外に分別意識が根づいていたりもする。
実際、ペットボトルは循環資源の代表格だ。材料は、ポリエチレンテレフタレートというポリエステルの一種。単一素材で出来ているので、飲み終わればそのまま再利用可能な「資源」となるわけだ。ちなみに、ペットボトルのPETとは、この素材の略称に由来することも覚えておくとよいだろう。
さて、回収されたペットボトルは、再び飲料用の容器へと転生するだけでなく、多様な製品の素材として生まれ変わることになる。たとえば、食品用のトレーやたまごのパック、台所洗剤ボトルや食品用のパウチ。中には、衣類など繊維製品の一部となることもあるそうだ。こうして再利用されるペットボトルのリサイクル率は84・6%、有効利用率は何と98%にも達する。これは世界最高水準にあたるそうだが、その快挙の裏側には、消費者意識の向上とともに歩んできた業界関係者たちの努力がある。
リサイクル意識を徹底すれば有効利用率100%も可能!
メーカー各社を中心に、政府や自治体、関連企業・団体や消費者団体とも幅広く連携し、資源が効率的に循環する社会づくりを目指してきた全国清涼飲料連合会は、百年以上の歴史を誇る業界団体だ。いまや日本の観光資源のひとつにも数えられる「自動販売機文化」を含め、世界でも稀なレベルの飲料文化を牽引してきた同連合会は、事業者責任の一環として環境対策も強力に推進している。一昨年の11月には、2030年度までにペットボトルの有効利用率を100%にまで引き上げたいとする宣言を発している。
回収されたペットボトルの再生は、上の図のような工程を辿る。近年の再商品化では、再びペットボトルとなる「ボトル to ボトル」の伸びが顕著。その勢いは左のグラフの通りだが、ここで課題となるのが、分別の時点で混入すると品質と効率の著しい低下を招く「PET素材以外の異物」の存在だ。中でも自販機に設置されたリサイクルボックスは深刻で、実に約3割もの異物が混ざっているとか。逆に言えば、飲み残しも含めた異物を排除し、キャップとラベルを外すことを徹底できれば、「100%」の実現も本当に夢ではなくなるのだ。
広く啓発活動に努める連合会のWEBサイトでは、ペットボトル資源の循環を分かりやすく解説する動画をはじめ、多様な情報を発信している。100%有効利用に向け、「混ぜればごみ、分ければ資源」という意識を徹底したいものだ。
一般社団法人 全国清涼飲料連合会
東京都千代田区神田須田町2-9-2 PMO神田岩本町2階
TEL.03-6260-9260
http://j-sda.or.jp/
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2024年10月25日 発行
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