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日本の美の最たるものは、曖昧で雄弁な「色」にある。

日本の美の最たるものは、曖昧で雄弁な「色」にある。

2016年12月15日 PR

絶好調が続く福井県鯖江市の株式会社ボストンクラブから、また新たなニュースが到着。同社のハウスブランド「ジャポニスム」の20周年を祝う最新モデルが人気ラインである「センス」から発売されたのだ。

ジャポニスムと言えば「日本人職人による、日本人のための、日本的でモダンな眼鏡を」という発想に基づく看板コレクション。これまでも機能美を極めた数々の名モデルを送り出してきたが、今回はまさに原点回帰的な試みが盛り込まれたようだ。

担当デザイナーの「茶室の世界観を眼鏡に落とし込んでみたい」という思いから、プロジェクトは始まった。新コレクション「JS-118」を手に取ってよく見ると、テンプルは茶杓を、ブリッジは南部鉄器の持ち手をイメージして造られていることが分かるはずだ。だが、それだけで済ませないのが同社の真骨頂。カラーリングに、何と日本の伝統色を採用したのだ。ご存じの通り、日本の色は微妙な加減が命。しかも色を金属フレームに定着させることにこだわったため、試作品だけで数か月を要した労作だ。

JS-119 35,000円(税別)  テンプルエンドには南部鉄器の鎚目をモチーフとしたデザインが施されている。

苦心の作のカラーは5色。漆黒、燕脂、熨斗目花色、錆鉄御納戸、海老茶の各色は、頭文字がブランド名を表す仕掛け。中には聞き慣れない名称もあるが、造語ではない。見ればきっと「なるほど、日本だ」と感じるはずだ。

この5色は、同時に発売された「JS-119」にも展開されている。最大の差異点は、フロントの二重構造。これは日本独特の「間」の概念を採り入れ、閉じた門から洩れる月明かりのような風情が表現されたものだ。この卓越したデザイン、細部にこだわった詳細なデザインなどが認められ、香港の展示会「HKOF」の「V AWARD」オプティカル部門では、見事シルバー賞に輝いている。

日本の美的感覚の奥深くまで分け入った、2つのニューモデル。そのニュアンス豊かな色彩は、やはり店頭で実物にあたるべきだ。


                        			
  • 【錆鉄御納戸 Sabitetsuonando】 緑みの暗く鈍い青色。納戸色とは江戸時代に流行した藍染めのひとつで、納戸のうす暗い感じに似ているためこう呼ばれた。錆鉄とは、錆びた鉄ではなく、「くすんだ」という意味で用いられている。
  • 【海老茶 Ebicha】 灰がかった暗い赤色。縁起のいい伊勢えびの色にちなんだ「海老色」から茶みをふくませた色を指す。明治時代中期から後期にかけては袴の色として流行したほど一般に親しまれてきた色のひとつだ。
  • 【漆黒 Shikkoku】 くろうるしを塗った漆器のような深く艶のある黒色。純粋な黒であることから「純白」の対義語になる。「最も暗い黒」を指し、現代作家には闇や髪、瞳などの黒を表す情緒的な表現として用いられる。
  • 【臙脂 Enji】 元は中国伝来の黒みを帯びた深く艶やかな紅色の顔料を指す。中国の古代国家「燕」に由来し、「脂」とは「化粧の紅」を意味する。顔料としては古くから伝わっていたが、染料として広まったのは明治中期頃からだという。
  • 【熨斗目花色 Noshime-hanairo】 灰がかった濃い青色。本来は熨斗目という縞や格子などに織り出した平織りの織物で仕立てられた小袖のことを指す。五代目市川団十郎が好んだ薄花色よりも濃い藍染の色を「熨斗目花色」と呼ぶ。

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株式会社ボストンクラブ
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