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伊藤洋一氏に訊く、これからの不動産投資のあり方

伊藤洋一氏に訊く、これからの不動産投資のあり方

2017年2月23日 PR

将来的に「より安心できる」不動産投資とは。

2020年に向けて再開発も活発な都心各地。マンション価格の高騰で沸いた不動産業界だが、最近は人気の「家賃保証サービス」へのリスクを懸念する報道も。先行き不透明な中で堅実な賃貸経営を始めるには、何を注意すべきなのか。経済評論家の伊藤洋一氏に訊いた。

  • 【経済評論家 伊藤 洋一氏】 1950年長野県生まれ。共同通信社や日経ビジネスなどに定期寄稿するほか、『ITとカースト:インド・成長の秘密と苦悩』(日本経済新聞出版社)、『カウンターから日本が見える』(新潮新書)など著書多数。
  • 【聞き手 野呂田義尚氏】 1978年北海道生まれ。2007年プロパティエージェントに入社。2011年常務取締役に就任。 立教大学大学院ビジネスデザイン研究科を修了し、MBAを取得。著書「株もFXもやらなかった 「わたし」が 不動産投資を始めた理由」が好評。

野呂田 年金への不安を訴える方は本当に多いですが、伊藤さんは「将来への備え」には何が必要とお考えですか?

伊藤 いつまでも健康に働ける身体です(笑)。一番の資産商品は、自分自身。とは言え、いろんな可能性を考慮しなければなりませんから、末長く収入が入る「仕組み」を作ることが必要でしょう。

野呂田 不動産業界が活況とされる中、地域によっては家賃が落ちてきたという指摘もあります。このままでは、家賃保証サービスが維持できなくなるのではないかといういわゆるアパートリスクは、先日の日経新聞にも記事が掲載されていましたね。

伊藤 家賃の下落は、特に地方では確実に始まっていますね。不動産は、ポートフォリオの中でもキャッシュの次に大きな存在となりますから、今後は「建てればよい、買えばよい」というわけではなく、これまで以上に吟味が必要となるでしょう。

野呂田 不動産投資はキャピタルゲインとインカムゲインの両得が醍醐味ですが、それを継続的に得ようとするなら、リスク回避策の確保が不可欠です。伊藤さんなら、まず何を重視しますか?

伊藤 月並みではありますが、まずは「どこに持つか」を考えますね。高齢化社会が本格化すると、実は「特定の地域への人口の集中」が始まることになりますから。

野呂田 社会では過疎化が深刻な課題ですが、投資家にとっては都心部の過密化が懸念材料ですよね。物件確保が難しくなるわけですし。

伊藤 お年寄りに「どこにお住まいになりたいですか?」と訊ねれば、「便利な場所」とか「病院の近く」となりますからね。こうしたニーズを捉えるなら、今後は単に駅近の物件というだけでなく、「その駅にどんな電車が停まるのか」「周囲にどんな人々が住んでいるのか」と、できるだけ具体的に考えるべきでしょう。

野呂田 立地やディベロッパーなどのネームバリューもさらに重みを増しますが、同時に「誰に住んでいただくのか」を綿密に調べる能力も必要になってきますね。

伊藤 雑誌などで判断できる時代は終わるでしょうね。現地を調べる力を得るか、あるいはその力を持つパートナーを持つという基本的なことが、将来の差になり得るのです。同じ都心部の駅近物件でプロフィールは似通っていても、その地域にどんな層がお住まいなのかによって将来の家賃収入の額に差が付くとなれば、調べざるを得ません。不動産物件は見た目よりも「格差」が大きいので、そのあたりも十分に考慮に入れるべきでしょう。

野呂田 今は人気がある家賃保証サービスも、あくまで「今後も何も起こらなかった場合なら保証できる」ということですからね。

伊藤 そうですね。「将来にわたってそれを維持できるのかどうか」までは、誰にも分からないことですから。

野呂田 これからは、「長い目で見る」ことが想像以上に重要になりそうですね。

伊藤 ええ。5年、10年程度のスパンではなく、たとえば人口動態もチェックするなど、よりロングレンジな視点も必要になるでしょう。だとすれば、「歳を取ってから」よりも、時間に余裕がある若い時に乗り出す方が好ましいかも知れませんね。

野呂田 相談する会社選びも重要になります。

伊藤 投資支援サービスも加熱気味ですから、見極めは重要です。将来への備えのひとつとして不動産投資は確かに有力ですが、入り口を間違えたら意味がない(笑)。ほかの投資手法も含めて、よく比較検討して欲しいですね。そう言えば、御社は家賃保証サービスはしないんですか?

野呂田 弊社は入居率が約99%に達しているので、必要がないんです。今後もリスク回避を徹底していきますよ。

 


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