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プチジュエリー文化の立役者「アーカー」の快進撃

プチジュエリー文化の立役者「アーカー」の快進撃

2017年4月27日 PR

1997年に日本で設立されたジュエリーブランド 「アーカー」は、特集で紹介したCEOの福王寺朱美氏の世界観が色濃く反映されたブランドだ。こう聞くとデザイナーズブランドを想起するが、前述の通り、同社設立前の福王寺氏の肩書きは宝石鑑定士。クリエイティブの世界に親しみ、強い関心を持ちながらも、本職ではなかったわけだ。また、高級機械式腕時計の分野では時計師が自身の名を冠した看板を掲げるブランドもよくあるが、もちろん、製造畑の職人でもない。その意味で、同社は成り立ちからして非常に独特と言えるかもしれない。

sub1AHKAH初期の代表作である「百合のおしべの投げ込みピアス」。日本人ならではの繊細さが表現されており、工芸品的な印象が強い仕上がりとなっている。ヤマユリの中心のおしべを耳に差し込む形で、キャッチも付いていないシンプルさ。「自然」にインスパイアされ、18金とプラチナで作られたこのピアスを出発点に、「無垢」で「素朴」な、「心」「祈り」「幸福」などの願いが込められた作品を次々とリリースする。

若い女性の「たからもの」

「永遠に向かいはかなく無垢な美しさを追い求め、描き続けること」。同社のサイトにはこうしたスローガンが掲載されているが、これはもちろん氏の信念だ。2人の若いクリエイターとの出会いから始まったというアーカーの商品づくりは、「質の高いものを、もっと身近に」というメッセージが極めて端的に描かれている。「本物のジュエリー」の世界にアートやファッションが発散する感性を持ち込み、資産価値よりも「たからもの」然とした可愛らしさを強調した製品は、瞬く間に女性たちを魅了。若手の有名女優やシンガーなどがこぞって身に付けたことも相まって、その後、若い女性たちのジュエリー観まで一気に変革することになる。

  • K18YG×DIA 130,000円(税別)
  • K18YG×DIA×白蝶パール×アコヤパール290,000円(税別)
  • 【上】K18YG×DIA 160,000円(税別)【下】Pt×DIA 190,000円(税別)

小柄な日本人には、小ぶりでキラキラと輝くジュエリーが似合うはず。日本人のための製品開発姿勢は、今も同社のアイコンとして絶大な人気を誇る「ハートパヴェ」に象徴されている。

5ミリ四方のプレートには本物のダイヤが敷き詰められているのに、洒落たタトゥーのように肌に馴染む華奢でキュートな日常感。ハイクオリティな素材や細部までこだわり尽くしたデザイン性、妥協のない仕上げ…と、いずれも「宝飾品」としては本格派なのだが、気まぐれな遊び心で身に付けたくなるプチジュエリー感。これらはすべて「ありそうでなかったもの」として歓迎され、これまで興味を示さなかった層まで惹きつけた。福王寺氏が描いた「日本のジュエリー」は、硬直気味だったジュエリー市場の活性化まで呼び起こしたのだ。

爪の形を星に見立てたオリジナルセッティングが意匠登録されるなど、さらに勢いを増すアーカー。最近では、国内に留まらず、世界からも注目を浴びている。

2007年、パリの「ボンマルシェ」やロンドンの「リバティ」で継続的に取り扱われたことを契機に、パリジェンヌやロンドナーたちの間でもプチジュエリーへの支持が拡大。欧州アーティストらとのコラボやニューヨークでのアトリエの開設など海外向けラインにも注力する一方、ご存じ「伊勢丹新宿店」では何と10年連続でクリスマスシーズンのステージを独占するなど、その存在感はもはや揺らぎようがない域に達している。

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Heart Pave ハートパヴェ (1996年〜) K18YG×DIA 52,000円(税別)

洋服とのコーディネートも含めて、より分かりやすいジュエリーを目指して開発しました。「スキンジュエリー」的なアイデアで、「素肌にダイヤ、タトゥーのように」というテーマのもと、18金のイエローゴールドを使いました。当時はホワイトシルバーが主流で、小さな製品は見かけなかったんですよ。でも、「肌と同化しながらさり気なく光るジュエリーを演出できるのではないか?」「1枚の小さなハート型を作れば、その人のアイデンティティを引き立てられるはず」と考えて作ったシリーズです。(福王寺朱美氏)

 

 「一念岩をも通す」の成功

こうして20周年を迎える同社だが、創業当時はバイヤーの説得に苦心したという。氏によれば、スタイリストやエディターにも直接コンタクトを取り、手づくりの什器を抱えて自らプレゼンを重ねたとか。最初はトレンドに敏感な層の口コミから始まり、やがて「少し頑張れば買える」という価格情報とともに楽しみ方も広く拡散。全盛期を迎えたSNSや、世界的な単語となった「kawaii」ブームの隆盛も追い風となったのだろう。

  • Petit Ecriture プチエクリチュール (2006年〜) K18YG×DIA 65,000円〜(税別)
  • Believe You ビリーブユー (1997年〜) K18YG×DIA 74,000円(税別)

ジュエリーをアートの感覚で捉え、気軽なファッションへと昇華させたアーカー。福王寺氏は、「目標に対して、順を追ってひとつひとつ動いただけ」と控えめに話すが、その影響力は今や一流百貨店にまで轟く。オリジナリティは作れる、ユーザーは魂を感じ取ってくれる。「一念岩をも通す」を地で行く同社の成功は、何とも勇気づけられるものがある。

「ハートパヴェ」の大ヒットで認知されたアーカーが20周年を迎えるにあたり、福王寺氏ご本人にブランドの足跡を聞いた。代表的な製品の「裏話」は前述した通りだが、今後についてはどうお考えなのか。

氏のパーソナルな想いがそのままブランドカラーとなっているアーカーだが、20周年に際し、その根底にある「ユニバーサルな愛」をテーマに掲げたという。それを形にしたのが、360度どこから見てもハート型という驚異のフォルムを18金とダイヤで表現した「ラブビリーバー」だ。

最初は職人さんから「絶対に無理」と怒られた…と笑う福王寺氏の「パーソナルな愛」から始まった同社のストーリーの通過点をそのまま形にした、360度のハート型。これまでの製品より少し大きめのY字タイプで、「くるくる回る動きも実現したかった」という氏のイメージは、さっそく若い女性たちから「かわいい〜」という声があがる。

広告宣伝は「これから」

最後に、ビジネスパーソンには驚きのエピソードを、ひとつ。こうしてトレンドセッターへと成長したアーカーは、実は広告宣伝活動をほとんど行っていないという。ほぼすべてがメディアからの掲載依頼に応えたもので、いかに「ニーズ」を捉えていたかがよく分かる。

今後は、前述の海外展開を見据えつつ、ブランドの基礎部分をさらに踏み固めたいと語る福王寺氏。自社からの発信も「これから」積極的に行いたいというのだから、末恐ろしくなる。

現在、氏は「フュージョンジュエリー」という構想を温めているとか。20年前と同じように「世の中にない、きっと『珍しいね』と言われると思います」とのこと。その発想自体に価値を込めるのはアーカー躍進の原動力となったわけだが、今後も私たちを驚かせてくれそうだ。

「アケミアヤノ」という新ブランドの展開と歩調を合わせ、今月、「GINZA SIX」内に日本初の旗艦店をグランドオープンしたアーカー。学ぶことも多いブランドなので、ぜひ一度足を運んでみたい。


 

まるで美術館! AHKAH 神南本店

今月、話題の「GINZA SIX」内に、「akemiayano」(福王寺朱美氏が自ら手掛けるモダンジャパニズムをコンセプトにしたブランド)とともに新店を構えたAHKAH。その本店を訪れると、美術館と見紛うような独特の世界観が展開されている。絵や彫刻に親しんできた福王寺氏が重視する「オリジナリティ」をそのまま描く空間は、一見の価値あり。

□ 東京都渋谷区神南1-4-10  TEL.03-3463-0222

銀座の新名所「GINZA SIX」内に新拠点がオープン。

AHKAHの代名詞である華奢で繊細なジュエリーやモダンジャパニズムがコンセプトのakemiayanoの独創的なジュエリーが揃う、唯一のフルラインアップショップ。ジュエリーボックスのような遊び心がつまった、洗練された空間が魅力。

□ 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 2階 Cコア

TEL.03-6274-6098

【公式Facebookページ】
https://www.facebook.com/AHKAH-452172518198115

【公式instagramアカウント】
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