2017年11月3日
婚約指輪や結婚指輪、結婚記念日などに贈るダイヤモンド。では、なぜダイヤモンドなのか。あまりにも当然のことになっていて、考える機会はあまりない。
ダイヤモンドの語源は諸説あるが、ギリシャ語の「アダマス」が有力とされる。「何事にも屈しない」「不変」を意味する言葉で、戦士が「自分は変わらない」という意味を込めて、妻や恋人にダイヤモンドを預けて戦場に向かったという逸話があるそうだ。弓矢や盾を与えても、彼女が身を守れるかどうかはわからない。ならば、不変の愛を示すダイヤモンドを託し、無事に帰還したら一生添え遂げよう…そんなロマンティックなシーンが浮かぶ。
結婚指輪を左手の薬指につけるのも、実は理由がある。古代ギリシャでは、心臓は人間の感情を司る場所で、左手の薬指は心臓から一番熱い血が流れる指と考えられていたという。相手の気持ちを掴み、より強い絆を得るには、この指でなければならなかったわけだ。
ダイヤモンドの鉱石は、新しいものでも実に1億年以上も前のものと言われ、まさに「地球からの贈り物」だ。永遠の誓いの証として、あるいは子や孫へと受け継ぐ資産として、これ以上に相応しい品はないだろう。
だが、ダイヤモンドの価値 に、「輝き」という新しい概念が与えられるときがやってくる。そこで、次ページではこの「新しい価値」をもたらした、ある企業の物語を紹介しよう。
数学者が切り開いたダイヤモンドの「輝きの時代」
ダイヤモンドと言えば、不滅の輝き。現在では美の代名詞として認知されているが、輝きが重視されるようになったのはごく最近のこと。意外なことに、かつてのダイヤモンド業界では大きさや重量が重視されており、輝きへと軸を移したのは20世紀に入ってからのことだという。
「輝きが命」という認識が広まったのは、とある偉人が新たな価値を提案したことがきっかけだ。歴史に残る大転換を提供したその人物は、マーセル・トルコウスキー。ダイヤモンドの一大センターとして栄えていたベルギーのアントワープに根を下ろすトルコウスキー家の4代目にあたる。
数学者でもあったマーセルは、「もっと美しいダイヤモンドを創りたい」という信念のもと、反射や屈折率をはじめとする光学上の特性を数学的に解析。ダイヤモンドが秘めた光を放つのに最も適したプロポーションを見出すことに成功したのだ。
1919年に考案された58面体の「アイディアルラウンドブリリアントカット」は、現在流通するダイヤモンドの90%を占めるラウンドブリリアントカットの原点だ。名称を聞くだけでピンと来る通り、マーセルの偉業は、百年近くを経過した今もなお「業界標準」として生きている。
このマーセルの正統継承者として、「完璧な輝き」を掲げて1994年に同地でエクセルコ社を設立したのが、ジャン・ポール・トルコウスキーだ。7代目となるジャン・ポールは、マーセルが発明した58面体のキューレット(先端部)のカット面を省いた57面体を開発。上部から入った光を全反射する形へと改良し、「輝き」はいっそう高みへと昇ることになったのだ。
あらゆる角度からの検証ですべて「完璧」を求めて
ダイヤモンドには、「4C」と呼ばれる評価基準がある。カラット(重さ)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、そしてカットだ。このうち先の3つは石そのものの性質に由来するが、カットだけは人間の手によるものであるため、その技術力によって大きく左右されることになる。
最終的にはプロポーション(カットの総合評価)、研磨状態、左右対称性の3項目で評価され、項目ごとに5段階に格付けされる。エクセルコ社の製品は、3項目すべてが最上級の「トリプルエクセレント」のダイヤモンドを使用。そのクオリティは、ダイヤモンドの輝きを科学的に分析する「サリネライト」システムによる評価データで証明される。輝きの評価は9段階のグレードスケールに分かれているが、このレポートが発行される同社のダイヤモンドは、ひとつ残らず最高評価の「ウルティメイト」を獲得しているとか。
ダイヤモンドは、「ダイヤモンドであればよい」わけではない。不滅の輝きを秘めるからこそ、その輝きは「完璧」でなければならないのだ。品質に厳しい目が向けられる現代だが、もともと数学的な見地から始まったエクセルコ社には、優位を示す上でむしろ歓迎すべき時代なのだろう。
「常軌を逸している」熟練鑑定士でさえ驚く技術
さて、ダイヤモンドの原石は、天然物ゆえに個体差があり、部位によって硬さも異なる。その微かな差異を見極めなければならないため、「完璧」に相応しいカットを施すには、熟練工の高度な技術が不可欠となる。
天才カッターの系譜を今に受け継ぐエクセルコ社は、無論、このカッティング技術も半端なものではない。何と通常の4倍にあたる36もの工程を置き、しかもその全工程に検査またはクオリティコントロールを課しているという異様な徹底ぶりだ。カットチェックだけで実に多くの技師が携わるという点だけでも、その品質管理の厳しさが容易に想像できるだろう。こうして作られる同社のダイヤモンドは、熟練鑑定士をして「常軌を逸した精度」とまで言わしめるレベルに達しているそうだ。
次ページ>>エクセルコ社デザインの魅力をご紹介!!
もはや戦慄を覚えるほど厳格な体制を保つエクセルコ社だが、その想いはデザイン面にも踏襲されている。エンゲージリングやマリッジリングなど、いずれの製品カテゴリにおいても、ひたすら「ダイヤモンドを輝かせるため」の設計が施されているのだ。
ダイヤモンドをダイヤモンドで照らす…
「より美しい輝き」への執念
たとえば、ページ上部の写真のリング「エクセルシア」は、非常にシンプルな印象に仕上げられていることに気付くはずだ。言うまでもなくセットされたダイヤモンドのシルエットと輝きを最大限に引き出すためのフォルムであり、爪は丸いものが一般的だが、ひし形にすることでよりシャープさを演出するなど、ジュエリー製品としての繊細なアレンジが展開されている。エクセルシアでは、小さなダイヤモンドが石座の中にセットされているのだが、これは反射した光でセンターダイヤモンドを下から照らすため照明装置と考えればよいだろう。「ダイヤモンドをダイヤモンドで輝かせる」というのだから、その豪華さもさることながら、もはや執念とも言える発想力には驚かされるばかりだ。
この小さなダイヤモンドは、装飾としてもあしらわれ、「メレダイヤモンド」と呼ばれるものだ。エクセルコでは、この一粒一粒にまで意味を持たせているという。
「プレジール」では、光量をより豊かに取り込むために、緻密に設計された「窓」が採用されている。その形状は、ダイヤモンドのブリリアンシーを外側に向けて輝かせるためのものだ。センターダイヤモンドと周囲のメレダイヤモンドとの間に空間が設けられているのは、センターダイヤモンドが浮いているように見せる演出。非常に細かい部分だが、これらの工夫があって初めて「一線を画す輝き」へとつながるのだ。
ハイエンドであるがゆえに一括りで語られがちなダイヤモンドだが、希少性に頼ることなく汗をかけば、オンリーワンの輝きを得ることができる。58面体を生み出した百年前の「美の追求」は、今も続いているのだ。
次ページ>>日本展開20周年の特別プロジェクトをご紹介!!
20年の節目を記念した特別なアニバーサリープロジェクトが発足。
日本で最初の店舗としてオープンした銀座4丁目に構えるエクセルコダイヤモンド東京本店は、今年でオープンから20周年を迎える。
これを記念して、日本国内限定の注目企画が発足した。母国ベルギー皇后の名を冠したエクセルコ社オリジナル「ファビオラカット」の100ピース限定アニバーサリープロジェクトである。
ファビオラカットとは、欧州の王族たちがこよなく愛したクッションカットをベースに、57面体の開発者であるジャン・ポール・トルコウスキー自らが手を加えた70面体のダイヤモンドだ。多数の面が複雑に発する光によって、中心に花びらが浮かび上がるように見えるのが特徴。ファビオラカットが日本でこれだけ充実するのは、実に10年ぶりの動き。高品質な原石の調達はもちろん、この複雑なカッティングが任せられる職人をわざわざ召集してカット工程ラインが組まれたというエクセルコ社にとっても一大企画だ。
ファビオラカットのダイヤモンドをセッティングした新作リング「ベルファビオラ」は、浮き上がる花模様を強調するデザインで、ラウンドカットと同様の強い輝きが楽しめる仕上がりとなった。まさに、アイディルブリアントカットを極めたものが生みだす逸品だ。アームのラインはダイヤモンドの端正な表情に合わせつつ、サイドからの角度で石座は花が咲き開く様子を表現するなど、過去のファビオラリングに比べてモダンな印象を放つのが特徴だ。
現在、エクセルコダイヤモンドでは「クリスマスフェア」を開催中。下記の通りプレゼントも用意されているので、ぜひ出かけてみよう。これから永遠の愛を誓うカップルなら、「これほど想いをそのまま表現できるものはない」と実感するはずだ。
◆東京本店
TEL 03-5565-0181
東京都中央区銀座4-10-10
営業時間/11:30a.m.~8:00p.m.(年中無休 12/31・1/1を除く)
◆青山店
TEL 03-5774-4641
東京都港区北青山3-6-21
営業時間/11:30a.m.~8:00p.m.(火曜定休/祝日は営業 12/31・1/1を除く )
公式ホームページ www.exelco.com
Instagram http://instagram.com/exelcodiamond
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2024年10月25日 発行
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