2019年2月21日
映画『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』 家族の絆を描いた宮川サトシの自伝的エッセイ漫画。物語は作者が実際に体験した実話で、母親との最期の日々から葬儀、そしてその後の生活の日々が描かれている。
まずタイトルで、そして内容で…母子の溢れる愛情がSNSなどでも「涙腺崩壊」と話題を呼んだ同作品が、待望の実写映画化。今回は、主演の安田顕氏に、作品の見どころと「母への想い」などを伺った。
| 原作をお読みになっての感想はいかがですか?
愛する母親の死に直面した時の主人公の視点に引き込まれました。私はまだ両親が健在で経験がないので、「なるほど、こういう心境になるのか」と。
| その主人公を演じる上で気を配った点は?
原作からは、悲しみいっぱいで涙が溢れるというよりも、「温かさにじんわりと涙が滲む」という印象を受けましたので、そこは意識してトライしました。あとは、作品独特のユーモアの表現方法でしょうか。
| 印象に強く残るタイトルがSNSなどでも話題を呼んでいますね。
とても目を引きますが、でも、「遺骨を食べたい」という感情自体は理解できます。骨って実はさほど特殊な存在でもないですし、自分を育ててくれた人の想い出を慈しむ行為ですし。お母さんに対する宮川さんの想いの強さ、愛情の深さがよく伝わるタイトルだと思います。
| 母親が亡くなった後の息子、そして夫の二人を見ていると、愛情の深さと同時に男性の弱さ、繊細さも感じました。
そうですね。女性が強くあってくれるからこそ、男性は弱くなれる。女性の強さ、母の強さ…素晴らしいですよね。素直に尊敬し、感謝したいです。
| 母への愛情は非常に強いのですが、子どものような甘え方ではないのが「大人の男性」ですよね。
「そこまでやったら相手に嫌われるだろう」ということが出来たり、自分の見せたくないところを見せられるのが、母という存在ですよね。自分の弱い部分、嫌な部分をさらけ出せるだけでなく、それも含めてすべて肯定してくれると信じている。それが、大人の男性としての「母への甘え」なんだと思います。
| 母親と手を繋いでいる幼少期のシーンが印象的でした。安田さんも、一緒にどこかに出かけた想い出はありますか?
毎年、家族旅行でキャンプに行っていました。道中の車内で母が歌を歌ったり、親父が炭を起こしたり…。特段にすごいエピソードはないかな(笑)。
でも、きっとそれでいいのでしょうね。小さな記憶も楽しく想い出せるのは、旅の魅力でもありますし。
| では、「これから連れて行きたい場所」ならどうでしょう? 出かけてみたい旅先はありますか?
たくさんありますよ。でも、世の男性陣と同じですね…「なにぶん今は忙しくてね」という言葉を出さざるを得ません(笑)。
そう言えば、先日、私の誕生日に、「これからも私を楽しませてください」と書かれたメールが届きました。まずは仕事という形で親孝行、ですね。
| 最後に、読者へのメッセージをお願いします。
多くのビジネスパーソンの皆さんは、仕事面でピークを迎えておられると思います。私もその一人なのですが、ピークの今だからこそ「この仕事から距離を置いた時に、自分はどう生きて行くのか」を考えたいと思います。こうして親のことを想う機会も含めて、いろいろなことを念頭に置かなければならない世代。「お互い頑張りましょう」とお伝えしたいですね。
俳優 安田 顕
1973年12月8日、北海道生まれ。演劇ユニット「TEAMNACS」に所属。舞台、映画、ドラマなどを中心に全国的に幅広く活動中。硬派な役から個性的な役まで幅広く演じ、これまでに100本以上の作品に出演。主な出演作として、ドラマ「下町ロケット」 (15・18)/TBSなど人気ドラマに多数出演。映画では「愛しのアイリーン」(18/吉田恵輔監督)、「龍三と七人の子分たち」(15/北野武監督)ほか、2019年には「ザ・ファブル」(江口カン監督)、NHK連続テレビ小説「なつぞら」への出演が決まっている。
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2024年10月25日 発行
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