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「撮影後も役から戻れない」佐藤二朗が異色の役柄を熱演

「撮影後も役から戻れない」佐藤二朗が異色の役柄を熱演

2021年12月16日 PR

コメディからシリアスまで、どんな役どころでも強烈な印象を残す俳優・佐藤二朗さん。数多くのドラマや映画に出演しながら、自ら監督や脚本家としても作品を手がけるなど、活躍舞台は広がり続けている。

来年1月に公開予定の主演映画『さがす』では、一般的な彼のイメージとはかけ離れた難役を熱演。そこで今回は、最新作の話題を中心に、俳優としての姿勢や夢を叶えた経緯などを交えながらお話をお聞きした。

|『さがす』の主演を務めるにあたっては、まず片山慎三監督からお手紙が届いたそうですね。

そうなんです。初対面は20年近く前で、まだ彼がドラマの仕事では駆け出しの立場だった頃でした。自分が監督としての商業デビューとなる作品の主演を、是非二朗さんにやってほしい、役も二朗さんに当て書きをしました、という内容でした。

|熱烈なラブコールだったのですね。脚本を読んだ時の印象は?

非常に面白かったですね。一方で、大変そうだなとも思いました。心の弱い普通の中年の男が非常に厳しい状況に置かれる物語なので、それ相応のメンタルが必要な作品だと感じました。

|異色の役柄のオファーに戸惑いを感じたということでしょうか。

逆ですね。俳優としては、むしろぜひ挑戦してみたい内容でした。自分はどちらかと言えば面白おかしい役柄のイメージが強いと思いますので、「よくぞこの俺にこの役を振ってくれたな!」と嬉しかったくらいです。役者として常に役柄に飢えていますので、大変だなぁと思いつつも二つ返事で「やるよ」と答えました。

|難役を実際に演じてみて苦労した点は?

今までは、「カチンコが鳴れば役になり切れて、終われば素に戻れる」と考えていました。いつでも切り替えられる器用さが嫌で、役に入り込んだまま引きずるようなストイックなスタイルに憧れていたのですが、この作品で初めて「撮影後も役から戻れない自分」を体験しました。うわ、俺はコッチ側だったのかって(笑)。

|観客も同じかもしれませんね。試写を拝見したのですが、観終わった後もどっぷり引きずりました。

登場人物は普通の人で、誰しも起こり得ることですからね。そういう意味では観客を選ばない作品とも言えますので、ぜひ多くの方にご覧いただきたいですね。

|俳優としてのスタイルと言えば、大学卒業後、一度就職しておられますよね。

小学4年生くらいから「俺は役者になる運命」と思い込んでいましたが、同時に「役者で食えるわけがない」とも信じていて(笑)。火を消したつもりの夢が、消えていなかったんですね。会社員生活でそれを痛感して、もう一度始めてみよう…と。

|本誌の今月のテーマはまさに「始める」なのですが、これから何か自発的に始めたいと思うことは?

何事も、常に「さあ、今やらないと」という気持ちで臨んでいます。今回の作品も、自分のパブリックイメージとはまったく違う役柄ですが、純粋に「挑戦してみたい」と感じてオファーを受けました。その時の状況などで自分の気持ちは変化していきますが、「やりたいと思うことを始める」というスタイルで熱意を維持してきたので、今後も貫いていければと思っています。

 

映画『さがす』

さがす

<2022年1月21日(金)全国ロードショー>

「指名手配中の連続殺人犯見たんや」
そう告げた父は娘を残し、煙のように姿を消した。

出演:佐藤二朗 伊東蒼 清水尋也 森田望智
監督・脚本:片山慎三
共同脚本:小寺和久 高田亮
音楽:髙位妃楊子
製作幹事・制作・配給:アスミック・エース

>>「さがす」公式HPはこちら

 

佐藤 二朗 さん

俳優・脚本家。1969年5月7日生まれ、愛知県出身。1996年、演劇ユニット「ちからわざ」を旗揚げ。
以降、NHK大河ドラマ『花燃ゆ』、映画『幼獣マメシバ』など話題の映画、ドラマで幅広い役をこなす個性派俳優。
主な作品には 『銀魂』 シリーズや、『今日から俺は!!劇場版』 『はるヲうるひと』 『ヲタクに恋は難しい』などがある。

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