2017年12月14日
忘年会シーズンもいよいよ本番。仕事とはまた違った慌ただしさの中、クリスマスに年末年始のパーティも控える。しばらくの間は、ビールに日本酒、ワインにシャンパーニュ&スパークリングワインと、さまざまな種類のアルコールを楽しむ機会が増えそうだ。
そこで今月は、日本ソムリエ協会の常務理事で、技術研究部部長を務める「コンラッド東京」エグゼクティヴ ソムリエの森覚氏に、「アルコールの嗜み方」についてお話を伺った。
| この時期は、シャンパーニュやスパークリングワインを飲む機会が増えますが、日本市場の現状はどんな雰囲気でしょうか。
日本では「特に人気がある」と言ってよいと思いますよ。ビールと同様に、私たちは泡を心地よく感じるのでしょうね。また、和食は繊細な料理が多いので、シャンパーニュやスパークリングのようにきめ細かな泡はよく合いますし。
シャンパーニュはフランスの同名地方でつくられるスパークリングワインのみを指しますが、産地が限定されているのに、これだけの種類と製造法、そして作り手がいる。この「ひとつのものを究める」という姿勢も日本人好みですよね。
| シャンパーニュ以外のスパークリングワインも人気がありますよね。
スペインのカヴァもそうですし、日本酒のスパークリングもありますからね。奥行きと柔軟性があるのが、日本市場の特性のひとつだと思いますよ。
| ご自身がソムリエを目指したきっかけは?
5歳から大学まではサッカーに熱中していました。日本代表になって、世界各国のチームと戦いたかったのですが、やがて現実を知りまして(笑)。
大学生の時、偶然見ていたテレビ番組で、ソムリエ世界選手権にも出場された「トゥール・ダルジャン」の石田博さんが映っていたんです。「世界で戦う」という夢はこういう形でも実現できるんだな、と。そこで、世界大会に出るために必要な勉強内容や進路を調べた上で最短距離のプランを立てて、受験生以上に勉強しました。25歳で日本一になり、28歳で世界大会に出場するはずが、少し遅れてしまいましたけどね(笑)。
| コンクール出場は、ソムリエを目指す方には大きな試練ですよね。
その通りです。出場するには、言語はもちろん食事の種類や食べ方、習慣など、周辺分野をすべて把握しておく必要がありますから。コンクールを目指す学習では多種多様なスキルが身につくので、その後の成長にも直結するんですよ。
| では、お酒の美味しい楽しみ方を教えていただけますか。
たとえば、日本酒と一緒に刺身をいただく場合は醤油がよく合いますが、ワインならネタによってすだちやカボス、塩などをお試しいただきたいですね。脂がのった中トロとスパークリングワインなら、少しわさびを添えればスパークリングの清涼感がいっそう際立ちます。ワイン、特にスパークリングは繊細ですので、薬味選びにほんのひと手間かけるだけで、味わいが広がるんですよ。
日本の料理は意外に調味料が豊かですので、それを意識しながら選ぶとよいと思いますよ。
エグゼクティヴ ソムリエ
森 覚氏(もり さとる)
2013年よりコンラッド東京にてビバレッジに関わるオペレーションを統括。以前にはパーク ハイアット 東京ほかホテルニューオータニの「トゥールダルジャン」にて勤務。第5回全日本最優秀ソムリエコンクールや第1回アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクールなど数々のコンクールで優勝。2015年には東京マイスター知事賞を同年の最年少で受賞。A.S.I.世界最優秀ソムリエコンクールに2010年、2013年、そして2016年と連続出場し、2016年には8位入賞。本年11月には「卓越した技能者(現代の名工)」厚生労働大臣表彰を同年最年少受賞。1977年、群馬県生まれ。
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2024年10月25日 発行
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