2022年2月24日
舞台に映画、TVドラマと充実した活動を続け、今や日本を代表する俳優の一人に数えられる段田安則さん。この度、65歳という節目の年に、キャリアの原点である舞台で大役を務めることになった。
4月4日、東京のPARCO劇場から開幕する舞台『セールスマンの死』は、トニー賞やニューヨーク劇評家賞、ピューリッツア賞などに輝くアーサー・ミラーの代表作。今回は、今月号のテーマ「備え」の話題を交えながら、満を持しての主演への思いをお聞きした。
|『セールスマンの死』は近代演劇の金字塔とも評される不朽の名作ですが、初めて観劇された時のことを覚えておられますか。
はい、よく覚えています。20歳の時、劇団民藝の公演でした。主役のウィリー・ローマン役は滝沢修さんが演じておられたんですよ。「さすがは名優!」と、とにかく感動しました。ただ、当時は年齢的に息子たちの方に感情移入していたのに、いつの間にか主人公とほぼ同年齢になっていました(笑)。
|1949年の初演から今日まで、ローマン役は名だたる俳優たちが演じていますね。ジョージ・C・スコットにダスティン・ホフマン、国内でも久米明さんや…。
仲代達矢さんに風間杜夫さん…。もう、お名前を並べるだけで思わずたじろぐような方々ばかりですよね。それだけに、「他の役者さんの方がよかった」とガッカリさせないように、自分のローマンを極めることに徹しようと向き合っています。
|長く上演されてきた作品ですが、人々にここまで愛される理由はどこにあるとお考えですか。
70年以上前の作品ながら、現代社会に通底する普遍性ではないでしょうか。人はそれぞれに理想の人生観や家族像を描きますが、なかなか思い通りには行きませんよね。競争社会、若者たちの挫折、親子関係の崩壊…と、時代を超えて共感できる現実が描かれているところに惹かれます。
|セリフの多い作品は、正確に覚えるだけでも大変そうですね。
特に舞台ではミスが許されませんからね。俳優としての仕事量の多さを実感しますが、そこが楽しくもあるんですよ。子どもの頃の夏休みの宿題のように、ギリギリにならないと手を付けないタイプでしたが、最近は歳のせいか、早め早めに備えるようになりました。
|備えと言えば、プライベートではいかがでしょう。日頃から準備を意識していることはありますか。
これまでは、どちらかと言えば妻まかせでしたね。最近は災害も多いので、緊急時用に充電器を購入したり、ベッドの下に靴を用意したりと、自分でもいろいろと備えを考えるようにはなりました。とは言え、まだまだ不十分ですので、もっと意識を高めなければいけないなと思っています。
|では、本誌読者に向けてのメッセージを。
舞台作品は多い年で5本ほど出演させていただいてきましたので、コロナ禍で間隔が空いた分だけ「早く演じたい」という気持ちが高まり続けています。今回は、米国が舞台の戯曲を、英国人演出家のもと、日本人俳優が演じるというグローバルな舞台という側面もあります。各劇場とも感染症対策にも万全を期しておりますので、ぜひお楽しみいただければ嬉しいです。
2022年4月4日(月)~4月29日(金・祝)
PARCO劇場
料金 (全席指定・税込) :マチネ/11,000 円 ソワレ/10,000 円
作:アーサー・ミラー 翻訳:広田敦郎 演出:ショーン・ホームズ
出演:段田安則 鈴木保奈美 福士誠治 林遣都 / 前原滉 山岸門人 町田マリー 皆本麻帆 安宅陽子 / 鶴見辰吾 高橋克実
企画製作:株式会社パルコ 後援:ブリティッシュ・カウンシル
チケットに関するお問合せ:サンライズプロモーション東京
TEL.0570-00-3337(平日 12:00~18:00 ※当面の間は月~金 12:00~15:00)
1957年1月24日生まれ、京都市出身。青年座研究所を卒業後、劇団夢の遊眠社に入団。1992年の劇団解散まで主力俳優として活動した。その後も多くの舞台、テレビドラマに出演。2020年の出演舞台『女の一生』では自ら演出も務めている。最近の主な出演作は、ドラマ『和田家の男たち(テレビ朝日)』・『カムカムエヴリバディ(NHK)』・『半沢直樹(TBS)』など。
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2024年10月25日 発行
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