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話題のミュージカル『9 to 5』への出演を控える別所哲也。痛快なコメディで問題の社長役を務めるその心境とは?

話題のミュージカル『9 to 5』への出演を控える別所哲也。痛快なコメディで問題の社長役を務めるその心境とは?

2024年6月27日

この秋に上演の話題のミュージカル『9 to 5』への出演を控える別所哲也さん。同作は、ドリー・パートンの主題歌が大ヒットした1980年公開の同名映画の舞台化作品。2009年にブロードウェイで上演され、数々の賞を受賞した名作だ。

令和の現代では犯罪級のセクハラ、パワハラ全開の不適切社長を3人の女性社員が懲らしめる…という痛快なコメディ。別所さんは問題の社長役を務めるが、その心境やいかに。今月のテーマ「サステナブルな暮らし」の話題とともに意気込みを伺った。

|社長役での出演オファーが舞い込んだ時の率直なお気持ちはいかがでしたか。

各種ハラスメントに厳しい今ならあり得ないほど不適切な人物ということで、「ぜひお願いします」と(笑)。現代の私たちの視点ではフィクションのように酷い男なので、特に女性の方には痛快だと思います。共演の皆さんも実力派揃いの方ばかりで、きっと華やかな作品になりますよ。

|当時以上に強いメッセージを込めることができそうな作品ですよね。

彼のような人物が世界中にいた時代の物語ですからね。基本は楽しいコメディですが、今の目線で見るとグローバルで普遍的な気付きに満ちた作品として、この時代に上演する意義は大きいと思います。

|今回の日本版は上田一豪さんの演出ですね。

あの世界観を上田さんがどう料理されるのか楽しみですよね。演じる側としても、台本とは別に音楽が存在しますので、自分の演技でどう立体化できるのかと考えを巡らせています。この場面でサックスが鳴って、ここからワルツになるのはどうしてだろう…と掘り下げるのが楽しくて。

|映画や一般の舞台作品とはまったく違うのですね。

映画などでは監督をはじめスタッフやキャストの方々と空気感を作りあげていくのですが、ミュージカルの場合は最初から楽曲の旋律や楽器の音色が前提としてありますからね。最初から解像度が高いと言いますか、輪郭がビシッと見えるので楽しいですよ。

|ハラスメントとともに、環境意識も変わりましたね。今月は環境月間ですが、何か取り組んでおられますか。

おばあちゃん子だったこともあって、物を大切にする気持ちが強いですね。たとえば、身体が大きくなって毛糸のマフラーが合わなくなると、糸を解いて長めに編み直してくれたり。刺し身があると翌日に漬けで食べたり、その翌日にはチャーハンに入れたり…。

|今で言うアレンジ料理のようなものですよね。

そうですね。今のようにサステナブルという言葉で括らなくても、昔の日本には「暮らしの知恵」として受け継がれていたことがたくさんありますよね。ですから、新たにサステナブルな生活を心がけると言うよりも、子どもの頃に見た風景が今でも根底にあるんです。それを敢えて言葉にするのであれば、「物を大切にする暮らし」になる、と。

|素晴らしいお考えですね。では、最後にビズスタ読者へのメッセージをお願いします。

今回の作品では、3人の女性たちに僕がどうやっつけられるか楽しみにしていただければ(笑)。ミュージカルがお好きな方はもちろん、音楽ファンにもおすすめですので、とにかくノリノリで楽しんでいただければ嬉しいですね。

ミュージカル 『9 to 5(ナイン・トゥ・ファイブ)』
2024年10月6日(日)〜21日(月)
日本青年館ホール
>>ミュージカル 『9 to 5(ナイン・トゥ・ファイブ)』HPはこちらから
朗読劇『THE MOST DISTANT DAY FROM YOU』
7月8日(月)19時〜 7月9日(火)14時〜
サントリーホール〈ブルーローズ〉

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>>朗読劇『THE MOST DISTANT DAY FROM YOU』HPはこちらから

 


 

別所 哲也さん

1965年8月31日生まれ、静岡県出身。慶應義塾大学在学中に、ミュージカル「ファンタスティックス」で俳優としてデビュー。90年には、日米合作映画「クライシス2050」でハリウッドデビューを果たす。米国俳優協会(SAG)会員。その後、映画・TV・舞台・ラジオ・ミュージカル等で幅広く活躍中。「レ・ミゼラブル」「ナイン THE MUSICAL」「ミス・サイゴン」「ユーリンタウン」「スワンキング」ミュージカル「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」などの大作・話題作の舞台にも多数主演。99年より、日本発の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」を主宰し、文化庁長官表彰受賞。観光庁「VISIT JAPAN 大使」、映画倫理委員会委員、外務省「ジャパン・ハウス」有識者諮問会議メンバー、東京観光大使に就任。内閣府・世界で活躍し『日本』を発信する日本人の一人に選出。第1回岩谷時子賞奨励賞受賞。第63回横浜文化賞受賞。

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