2024年9月26日
ドラマや映画ではシリアスからコメディまで幅広くこなす葵わかなさん。2019年にミュージカルに挑戦して以来、活躍のフィールドを舞台作品にも広げている。
来月16日からは、20世紀最大の劇作家と称されるベルトルト・ブレヒトの『セツアンの善人』に出演予定。初の一人二役、しかも一人は男性という難役に挑む。今回は、今月のテーマ「住まい」にまつわる話題とともに、舞台への意気込みや見どころ、舞台裏のエピソードなどを伺った。
|初の一人二役を演じるにあたり、意識されていることはありますか。
やはり二人のキャラクターの違いですね。何でもイエスと言い続けるうちに追い込まれていくシェン・テと、そんな時に現れたノーと言える男性のシュイ・タ。このシュイ・タという人物はシェン・テが創りだした架空の人物で、実はシェン・テが演じているのですが、周囲の人々は本当に男性だと信じているので、声も含めて男性の役づくりを意識しています。
|シェン・テはお人好しが過ぎる善人で、シュイ・タは情け容赦ない、いわば悪人ともいうべき人物。この対比的な設定については、どうお感じですか。
客観的に二人を掘り下げてみると、心優しいシェン・テにも欠点がありますし、冷酷なはずのシュイ・タが正しい行動を取ることもあります。善悪の評価は、見る角度や立場、価値観や考え方で変化するのが人間だと思うんです。最近は「善人」という表現自体が疑惑のワードのようにも感じたりもしますし(笑)。作品の大きなテーマでもありますので、皆さんにご判断いただければ嬉しいですね。
|ミュージカルのご経験はおありですが、今回の作品は音楽劇でもあるんですね。
そうなんです。演出の白井晃さんからは「歌の中で物語が進行するミュージカルとは違い、音楽劇での歌はそのシーンを強調する役割を持つ」と教わりました。意味合いがまったく違いますので、劇中の歌をどう活かせるのかを考えながら取り組んでいます。
|台詞は自宅でも練習するのですか。
はい、リビングで台本を読んで覚えたりもします。子どもの頃からの習慣で、宿題も自分の部屋よりリビングの方が捗ったんです。
|周囲の音が気になったりはしないのですか。
テレビの音くらいなら大丈夫なんです。台本を覚える時も、無音すぎると逆に気になってしまって。生活音に紛れて読む方が頭に入るんです。
|住まいへのこだわりや理想はありますか。
あります。できれば、庭に植物をたくさん植えて、自然が感じられる家がいいですね。実家ではずっと猫を飼っていましたし、個人的には犬も好きなので、いつかは家族と動物と一緒に庭で遊んだりしたいなと憧れています。
|では、最後にビズスタ読者へのメッセージを。
『セツアンの善人』は、ドイツの劇作家ブレヒトが手がけた戯曲です。善と悪という深いテーマを扱っていますが、基本は登場人物たちのオープンな会話劇で、歌あり、生演奏ありの作品です。まずは肩の力を抜いてエンタメとしてご覧いただき、帰り道では主人公たちの境遇や行動をご自身に置き換えて考えを巡らせて…と、じっくり楽しめる作品だと思います。私にとっても初の二役となりますので、ぜひ劇場まで足をお運びいただけると嬉しいですね。
葵わかなさん
2009年に⼥優デビュー。以降、ドラマ、映画、舞台、ナレーションなど幅広いジャンルで活動。2017年には連続テレビ⼩説「わろてんか」(NHK)でヒロインに抜擢。最近の主な作品にドラマ「ブラックペアン シーズン2」(TBS)、「キッチン⾰命」(テレビ朝⽇)、「Dr.チョコレート」(⽇本テレビ)、舞台「アナスタシア」。現在放送中のドラマ「おいち不思議がたり」(NHKBS)にも出演中。10月には舞台「セツアンの善人」(世田谷パブリックシアター)の出演も控えている。
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2024年10月25日 発行
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