2021年10月28日
三秋 縋(みあきすがる)さんの小説を原案とする『恋する寄生虫』が映画化され、11月に公開される。主演を務めるのは、演技力の高さで評価を集める林遣都さんと小松菜奈さん。極度の潔癖症に悩む青年と、視線恐怖症で不登校の少女という難役に挑んだ二人に、今月の特集テーマ「食」の話題とともにお話をうかがった。
|ファンタジーの側面を持つラブストーリーが中心の作品ですが、お二方とも極端な性格の役柄ですね。
林:僕が演じた失業中の「高坂賢吾(こうさかけんご)」は極端な潔癖症ですが、それは誰もがある程度は備えている要素でもあると思うんです。そういった共感できる部分も表現するために「なぜ潔癖症なのか」を突き詰めつつ、我々とは少し違う風景を見てきた彼の半生を映画の導入部分から感じていただけるよう心掛けました。
小松:不登校の「佐薙(さなぎ)ひじり」が抱える視線恐怖症も同じです。それが彼女にどんな困難を与えてきたのか、その壁をどう乗り越えてどこへ行きたいのか…と、心が動く瞬間を表現したいな、と。ファンタジーな部分もある物語ですが、人としての寂しさや弱さは繊細に演じたいと思いました。
|高坂賢吾も佐薙ひじりも孤独を抱える人物像かと思いますが、それぞれどうお感じになりましたか。
林:単純に自分だけの時間を過ごすという意味では割と好きです。ただ、重苦しい社会の中での孤独は危うい方向に向かいやすい側面もあるでしょうから、やはり人との交流こそが大事であるとも思います。今は人との接触自体が困難ですので、視野を広げる方法を見つけたいですよね。
小松:佐薙は閉ざされた世界で生きてきたのですが、高坂との出会いによってその扉を開こうともがき始めます。たとえ他人の影響でも、自分の心が願っていなければ、人は動けませんよね。互いに「この人がいないとダメだ」と思えたなら、そこは素敵な関係性だと思います。
|役づくりについて話し合いはされましたか。
林:それはもう、かなり話しましたよね(笑)。
小松:そうですね(笑)。
林:出会いからの心の変化がとてもこまやかに描かれている作品なのですが、撮影はシーン順ではなくバラバラに進めますから。場面ごとの心境などは、そのつど丁寧に確認したりしました。
小松:「ここは近づいた」「ここは離れている」と、心の距離感や使う言葉、座る位置まで話し合ったり。柿本監督をはじめ皆さんのアイデアで絶妙なバランスが生まれた作品だと思います。
|作中でも食べるシーンが多いようですが、食へのこだわりは?
林:僕は料理をしないのですが、今は外食がしにくいので、食べたいものがある時は自分でレシピを調べて挑戦しています。たとえば火鍋なら、お気に入りの店で使用している具材も調べて、スパイスや香辛料も全部探したり。中途半端は嫌なんですよね、ふだん料理しないくせに(笑)。
小松:私は薄味が好きで、餃子も焼肉もタレをつけないで食べるんです。よく噛むと繊細な味わいが分かるので、素材のおいしさを楽しむようにしています。自分で料理する時は、味はもちろん彩りを大切にしています。見え方を意識して、切り方や盛り付けに注意したり。言われてみると、食にはかなりこだわる方かもしれませんね。
< 2021年11月12日(金)全国ロードショー >
“その虫は「恋」に寄生する”
林遣都×小松菜奈W主演
世界の終わりを願っていた孤独なふたりの、切なくも美しいラブストーリー
出演:林遣都、小松菜奈、井浦新、石橋凌
監督:柿本ケンサク 脚本:山室有紀子
原案:三秋 縋「恋する寄生虫」(メディアワークス文庫/KADOKAWA 刊)
製作:「恋する寄生虫」製作委員会
制作プロダクション:松竹撮影所 配給:KADOKAWA
1990年生まれ、滋賀県出身。2007年、映画『バッテリー』にて主演デビュー。その高い演技力が評価され日本アカデミー賞など数々の新人賞を受賞。主な出演作には映画『ダイブ!!』『風が強く吹いている』『パレード』『しゃぼん玉』『チェリーボーイズ』『私をくいとめて』『犬部!』、ドラマ・映画「荒川アンダー ザ ブリッジ」シリーズ、「おっさんずラブ」シリーズなどがある。
1996年生まれ、東京都出身。 2008年にモデルとしてデビュー。14年に映画『渇き。』で本格的に女優デビューし、第38回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。主な出演作には、映画『溺れるナイフ』『さよならくちびる』『閉鎖病棟-それぞれの朝-』『糸』『さくら』『ムーンライト・シャドウ』などがある。
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2024年10月25日 発行
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