藤田寛之ー質の高い絆を得られるのが、ゴルフの魅力

「彼ら」の思いに応えたい。その一心で、ここまで来た。

2017年2月23日

質の高い「絆」を得られる、それがゴルフの魅力。

｜まずは今年の目標を教えていただけますか？

現役でトーナメントに出続けているからには、やはり「優勝」です。昨年の成績は私としても不本意でしたので、今年はいっそう頑張っていきたいと思っています。

｜ 40代も後半に入っても第一線で大活躍しておられますが、秘訣はなんでしょう？

辛抱強くやり続けてきたことですかね。自分から好きで始めたゴルフですので、アマチュア時代は苦しさなんて感じませんでした。プロになって「本当のスタート」を切った時、経験したことがないような高い山を登り続けなくてはいけないことを知って、一時は愕然としたものです。でも、結果が出るにつれて、応援してくださる方、サポートしてくださる方が増えて。今は、とにかく「彼らの思いに応えたい」という一心で前に進んでいるという感じです。

｜昔も今も、常に前進という感じですね。

そうですね。目の前に「壁」が現れても、それは「乗り越えるために与えられたもの」と考えているようにしているので、手を抜いたりすることはできませんね。努力は必ず結果につながりますし、それをなくして次はないと思っています。周囲からは「ストイックですね」と言われることもありますが、自分自身としてはそんな意識はなくて、ただ続けてきただけなんです。

｜常に競争の中に身を置いておられるわけですが、純粋に「ゴルフが楽しい」と感じる瞬間はありますか？

アマチュアの方とまわる時ですね。純粋に楽しいですよ。

｜藤田プロとラウンドできるレベルの方が相手だと、むしろ「プロとして負けられない」となりませんか？

ゴルフは、もともと「ミスして当然のスポーツ」なんですよ。たくさんミスをする中で、数少ないナイスショットが出た時が、爽快感や達成感の源ですから。それに、実際に打っている時間は、ほんの少しですよね。歩いたり、カートに乗ったりする時間の方が長いので、「会話のスポーツ」とも言えます。もちろん、あまり格好悪いところは見せられませんが、それ以上に親睦を深めるのが楽しいんですよね。

｜新しい仲間もどんどん広がっていきますもんね。

ええ。知り合ったゴルフ仲間が、次にまた新たな友人を連れてきてくれると、嬉しいですよね。実力伯仲の人、単純に気の合う人…といろいろですが、ゴルフを通じて得た人との絆は、おしなべて「質が高い」と思います。

｜今日、場をお借りした「葛城ゴルフ倶楽部」も、深い絆で結ばれていますよね。

そうなんです。このクラブは、所属しているだけでなく、私のキャリアの原点なんですよ。生涯にわたって大事にしていきたいと思っています。

｜では最後に、今後の展望などをお聞かせください。

歳を重ねるにつれて馬力が弱まるのは否定のしようがありませんし、新たな若手も台頭していますが、「まだ負けられない」という思いはあります。でも、それと同時に、自分のこれまでの経験を次の世代に継承していきたいと考えるようになって、今は「ヤマハジュニアゴルフスクール」の校長としての活動にも力を入れています。小学３年生から高校３年生までを対象としたゴルフ教室なのですが、早いもので、今年で４年目になります。これまでゴルフを通じて実にいろいろなことを学んできましたので、ぜひ若い皆さんに伝えていきたいですね。

藤田寛之さん（葛城ゴルフ倶楽部所属）
プロゴルファー。1969年6月16日生まれ。
通算ツアー18勝。1997年の「サントリーオープン」で尾崎将司を振り切って初優勝、トッププロの一角へと躍り出る。20代は１勝に留まったが、30代で５勝、そして40歳を過ぎてから12勝と、年齢を重ねるごとに勝利数を増やす。2012年には４勝を挙げ43歳にしてついに賞金王の座に。同年の「日本シリーズ」では大会史上初の３連覇を達成、平均ストロークでも初めて１位に立つ。2014年には最多勝となる３勝を挙げた。ゴルフ以外ではワイン開発に携わり、自身が本坊酒造株式会社の｢マルス山梨ワイナリー｣に足を運んでテイスティングを行ったオリジナル商品も開発。最近では「チームセリザワ」のLINEスタンプのリリースされている。

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