2019年10月24日 PR
皇族方の御召し物という特別な立場の方のための究極の一着の服づくり。あの「ユニクロ」による世界中の人々に向けた服づくりのデザインディレクション。何とひとりでその両方を実践しているという彼は、きっと超人的な才覚の持ち主に違いない。
滝沢直己氏。高感度系のビジネスパーソンたる読者諸氏なら、カタカナ表記で「ナオキ タキザワ」と書いた方が通りがよいだろうか。あのイッセイ ミヤケで名を馳せ、内外のクリエイターやアーティストとのコラボなどでも知られる気鋭のファッションデザイナーだ。
ご覧の通り、ご本人がモデルばりの精悍さだが、子どもの頃は意外にも病弱で、床に伏せがちだったとか。そんな少年時代に何よりも楽しんだのは、「通知表で唯一5だった」という図画工作の時間。当時は、のちの師匠を筆頭に、日本人クリエイターがパリへ、ロンドンへと羽ばたいていた時代。続々と報じられる彼らの活躍にも感化され、モノづくりへの夢は次第に服飾の世界へと傾いていく。
服を着替えると、気持ちのあり方そのものが変わる。「ポジティブな自己肯定感を提供するファッションデザインの世界で、人々にワクワク感を贈りたい」。それがデザイナー人生の原風景となったわけだが、成熟した大人としての視界に映る今後の活動ビジョンも、実はほとんど変わらないという。
「ファッションデザイナーは、自分の美意識を信じるほかない職業です。でも、ビジネスのフィールドでは『相手が何を求めているのか』が重要です。自分の美意識を、相手の基準の中で役立てるには、きちんとリサーチした上で思考を働かせる必要があります。皇室とユニクロは両極端な仕事のように見えるかもしれませんが、感性一辺倒ではなく『プロとして何を提供できるのか』『服にどんな歓びを感じていただくのか』を考えるという意味では、デザインする上で大きな差は感じないんです」
昨年、渋谷区内にナオキ タキザワ フィッティングルームをオープンした。2ブランドをまたぐ形で、自社製のプレタポルテの販売からパーソナルオーダーの注文までを担う。2階にあるアトリエから地続きとなる拠点だけに、少年期から続く「ワクワク感」で満たしつつも、長く最前線で活躍してきた経験に裏打ちされた「これからの時代へのオピニオン」をも内包する空間だ。
「この世界はデザイナーの名前のみが表に出やすいのですが、その背後にはパタンナーをはじめとするさまざまなエキスパートたちの存在があります。自分の感性と美意識がすべてというアーティストの仕事も魅力的なのですが、服づくりの行程で各担当者が『自分とは異なる発想』を持ち寄りながら煮詰めていく方が、完成度が高い『何か』が生まれやすいと思うんです。誰と会うか、何を思うか、どう心を込めるかで視点が変わる、変えられる。それは僕のモノづくりの原点でもあるので、楽しみながら実現できる環境を作りたかったんです」
今回は、この注目ショップを訪問取材。ナオキ タキザワ フィッティングルームからビズスタ読者への特典も用意されたので、ぜひお見逃しなく。
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2024年10月25日 発行
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