2018年12月20日
自身の著書の発行部数が累計100万部を突破。私設オンラインサロンの会員数は何と17,000人を超え、話は今や美術館の建設や街づくりへと発展中。
とにかくダイナミックな話題を振りまく西野亮廣氏だが、何よりも注目を浴びているのが、その活動スタイルだ。SNS、クラウドファンディング、そしてライブと、直接コミュニケーションを取る姿勢が目立つ。これは、従来のエンタメ業界ではなかなか見られなかった手法と言える。
いわゆる「お笑い」の楽しさだけでなく、その「大胆さ」「自由さ」でも人々を惹きつける西野氏。ワクワクさせられるその活動は、どう発想されて、どう動かされているのか。訊ねると、彼らしい気取らない答が返ってきた。
| 西野さんのご活動は、周囲の方々とフランクに接しておられますよね。フラットな関係と言うか。
SNSがきっかけかもしれないですね。発信一方、受信一方というエンタメのスタイルは、そろそろシンドくなってきた気がして。もう一度、舞台上と客席の境界を曖昧にしてみようと。
| 話題になった絵本づくりも似た発想ですよね。
そうなんです。自分たちが読むものを、自分たちで作ろうと。最初から読者の皆さんを巻き込んでいますから、「情報解禁」ではなくて、どんどん情報を出してしまおうよ、と。
| 映画の情報も、製作段階でドドドっと…。
そうです、そうです。脚本の内容も僕のオンラインサロンで話していますから、製作中でも皆さん内容をご存じなんです(笑)。完成品を観るのではなくて、自分たちで作ったものを観に行くという感覚を楽しんでいただければ、と。
| お酒が入る場でアイデアが出ることも多いそうですね。
酔っぱらうと、普段は考えない発想も出てきますからね。プロがきちんと考えて、事業計画もしっかり引けばコケないかもしれませんが、「完璧な計画」って応援しがいがないじゃないですか。少年マンガだって、「この後どうなるんだ?」という展開があって興奮できるわけですから。
| 西野さんのプロジェクトは、とにかくチャレンジングですよね。どう立ち上げているのですか?
いま建設中の美術館もそうですが、まず実施を決めて後で調整しています。その環境しかないなら、もう飛ばざるを得ないですよね、生物の進化みたいに(笑)。シラフだとその境地まで行けませんから。
| 西野さんの活動をご存じの多くの方は、西野さんのようになりたいと思っていると思います。でも、いわゆる常識を突破できないのではないかと。
もし何かに挑戦したいなら、あまり考えすぎないほうがいいのかもしれませんね。たとえば、いまサロンのメンバーの皆さんが進めてくださっている街づくりなら、完璧な事業計画を作れても、さほど意味をなさないと言うか(笑)。
意外に何とかなるものだという経験をしてしまえば、「立ち上がる力」がつくような気がします。失敗しても、「立ち上がる力」があれば取り戻せますしね。
| まさに「立ち上がりたい」と思っている人々に向けてアドバイスのようなものはありますか?
まず、お金の勉強はした方がよいと思いますね。お金とはどういうもので、どう流れているのかを知らないと、挑戦はできませんので。僕は貯金には興味がないのですが、「お金とは何なのか」については、身体で覚えました(笑)。
個人的に贅沢するよりも、「みんなで街を創ろう」とか、そういう夢に使いたいですよね。エンタメとは世の中を面白くすることだと思いますので。
| では、読者の皆さんへのメッセージを。
管理職の方は、年下に白旗あげましょう(笑)。下の世代は、我々の良い面も悪い面も見て育った方々ですから、たとえば今の20代なんかとても優秀ですよ。
うまく降参できれば、才能が集まってきます。無理に押さえつけるより、ずっと盛り上がりますよ。
1980年兵庫県生まれ。芸人。著書に、絵本『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』『えんとつ町のプペル』、小説『グッド・コマーシャル』、ビジネス書『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ現代のお金と広告』があり、全作ベストセラーとなっている。10月「バカとつき合うな」、11月「新世界」、12月「ほんやのポンチョ」と3カ月連続異なる出版社より新刊を発売。自身のプロジェクトにおいてクラウドファンディングでの調達額は合計1億9000万円を超える。
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2024年10月25日 発行
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