2024年11月16日
ポータブル電源の快進撃が止まらない。頻発する自然災害に加え、アウトドア系ホビーの隆盛も追い風となって販売好調だが、その原動力は製品自体の目をみはる進化にある。連続使用が可能な時間が延び、充電用のソーラーパネル製品も性能が向上した昨今は、屋外でもインドアの趣味が楽しめる勢いだ。
2010年代の後半から定着し始めたポータブル電源だが、大きな役割を果たしたのが、アメリカのブランド『Jackery(ジャクリ)』だ。2012年にカリフォルニアで創業した同社は、エコロジカルな電力ソリューションへの需要の高まりを受けてポータブルを製造・販売し、その技術力で瞬く間にトップブランドの一角へと駆け上がった。
日本には2019年に上陸。約半年後に襲来した令和元年東日本台風などで危機意識が高まり、一躍ヒット商品に。一度見たら忘れないあのオレンジのブランドカラーは、高品質ポータブル電源の目印ともなった。
現在は販売台数が400万台を突破し、名実ともにリーディングブランドへと成長したジャクリ。今回は、同社の創業12周年記念企画の一環として、同じく米国の誇り・ジープとのコラボでキャンプに出発。ポータブル電源が実際にどう使えるのか検証してみた。
コロナ禍でにわかに高まったアウトドア需要がそのまま定着する形となった昨今のキャンプ人気。自由気ままなソロやデュオキャンプから、ラグジュアリーな屋外体験を楽しめるグランピングまで、裾野は大きく拡大した。
それを後押ししているのが、関連ギアの充実だ。扱いやすいテントや調理器具など、続々と登場する最新アウトドア用品の数々は、かつての「大変そう」という印象を「楽しそう」へと変換し、入門者たちの心理的な障壁を見事に払拭。中でもMVP級の働きを見せているのが、ポータブル電源だ。というわけで、今回はその実力を簡単に検証したい。
首都圏近郊のキャンプ場への行き来は、ジープ『アベンジャー』を選んでみた。同社初のピュアEVで、しかも現行ラインナップで最もコンパクトな車種となるが、あの走破性は健在で先進機能も満載だ。山道や未舗装の道路程度なら楽勝の走行性能&アシスト機能に、キャンプ用品がドッサリ入る380ℓの大容量トランク。車体そのものが洗練されたアウトドアギアであり、かつ近場なら充電なしで往復できる486㎞の航続距離を誇るピュアEVとなれば、エコロジカルな大人ライフというキャンプの愉しみからしても実に有意義な選択と言えよう。
そんなわけで、6つの走行モードを選べる噂の「セレクテレイン」システムに軽く感動しつつ、目的地に到着。荷ほどきしてテントの設営を終えたら、インスタグラム用の写真を自撮りし、まずは一服。さっそくジャクリのポータブル電源を設置して、その使い勝手をチェックしよう。
今回連れてきたモデルは、2024年度の新定番モデル「JackerySolarGenerator1000New(Jackeryポータブル電源1000New+JackerySolarSaga100)」だ。人気モデル「JackerySolarGenerator1000」の後機モデルと25%の発電効率を実現したソーラーパネルのセット商品で、さまざまなトピックを内包している。
現地でまず気付くのは、積み下ろしが思ったより楽なこと。本体のサイズは約20%もコンパクト化されているそうで、10.8㎏の重量もクラス最軽量(※1)とか。トランクから降ろす時に「よいしょ」という声は出るが、持ち運びは苦にならない…という感覚だろうか。
それでは、まずスペックの確認から。Jackeryポータブル電源1000Newの定格出力は1500Wで、従来モデルから実に50%ものパワーアップを果たしている(※2)。ここまで来ると1000Wを超えるドライヤーや電子レンジといった高出力家電など、一般的な家電製品なら大半に対応できるレベル。このパワーがこのコンパクトな本体に収められているのだから、その進化ぶりに改めて驚く。
進化と言えば、もうひとつ特記しておきたいのがロングライフ性能だ。ポータブル電源では定番化してきているリン酸鉄リチウムイオン電池が採用されており、4000回の充放電サイクル後も70%のバッテリー残量を維持するため、毎日充電しても10年間は安定して使用し続けることが可能。節約モードで使えば、さらに1.5倍の長寿命化も可能というから凄い。また、安全性能の向上にも注目だ。62種に及ぶ保護機能を搭載した独自の高速充電技術は、最短60分(※3)の急速充電を実現。使用時の発熱も抑えられ、利便性と安心感が大きく高まっている。
相方となる折り畳み式のポータブルソーラーパネルも充実している。「JackerySolarSaga100」は、IP68の防水防塵に対応。ラボテストでは深さ1.2mのきれいな水に24時間にわたり浸してもスムーズな動作を確認できたというので心強い。また、従来のプラスチック製ハンドルを特許取得の紙製ハンドルへと変更。こうした環境負荷の軽減姿勢も、ジャクリ製品の大きな特徴だ。
実際に使ってみよう。ポータブル電源本体はAC出力とUSB出力を3ポートずつ備えているので、まずは道中で使い放しだったスマホ&タブレット、写真や動画編集用のノートPC、電気ポットなどを使用電力を考えずに接続。電池残量は専用アプリで監視できるのだが、最初は「大丈夫か」と本体をチラチラ見てしまう。本領を発揮するのは日没後だ。昼間のうちに太陽光で充電しておけば、アウトドアの定番であるホットプレートや電気フライヤー、液晶テレビにポータブルスピーカー、LEDランタンに電気毛布など、夜が深まるにつれて順番に発生するキャンプギアの電気需要を余裕で切り盛りしてくれる。
ACプラグかUSBコネクタが付いている家電製品であれば何でも接続できそうなJackeryポータブル電源1000New。今回は趣味的な使用となったが、大容量ポータブル電源の開発技術は災害対応力の向上やグリーンエネルギー時代の加速にも貢献する。今は発展途中ながら、ここまでの進化スピードから、さらにエコロジカルで強力なポータブル電源の実現はそう遠くないかもしれない。そんな期待感が高まるキャンプ体験となった。
Jackeryポータブル電源1000Newは、その名の通り1000Wh(正確には1070Wh)の容量が確保されている。この大容量の恩恵は大きく、スマホなら何と約45回もの充電が可能に。消費電力60Wのテレビなら半日にわたり点けっ放しにでき、80WのノートPCなら7回ほどフル充電できる計算だ。キャンプだけでなく車中泊や停電時にも対応可能なので、防災グッズとしても威力を発揮する。
Jackeryポータブル電源1000Newと対になるソーラーパネル「Jackeryポータブル電源1000New」は、最大100Wで電気を作り出すことが可能。両面発電できるため、約25%という業界トップクラスの優れた変換効率を持ち、特殊ラミネートでさらなる高耐久化・長寿命化を実現した。セットアップはパネルを広げて角度を調整するだけの簡単さで、閉じると持ち運び容易で収納時も場所を取らない。Jackeryポータブル電源1000Newとのセットでは約15時間でフル充電でき、さらなる時短化なら複数のパネルを接続することも可能。また、USBポートを装備しているので、発電した電力で直接スマホやタブレットを充電することもできる。
■Jackery Solar Generator 1000 New
Jackery ポータブル電源 1000 New+Jackery SolarSaga 100×1枚:174,600円(税込)
Jackery ポータブル電源 1000 New+Jackery SolarSaga 100×2枚:203,400円(税込)
■Jackery ポータブル電源 1000 New
※単品販売の場合:139,800円(税込)
●電池タイプ/リン酸鉄リチウムイオン電池●容量/1070Wh
●定格出力/3ポート合計1500W(瞬間最大3000W)
●サイズ・重量/約327×224×247mm(約10.8kg)
●搭載ポート/AC出力×3、USB-A×1、USB-C×2、シガーソケット×1
■Jackery SolarSaga 100 ※JS-100F
●最大出力/100W●変換効率/25%●重量/3.6kg
●収納サイズ/610×552×35mm
●展開サイズ/1220×552×20mm
この秋、ブランド初の電気自動車として大きな話題を集めた新型クロスオーバーSUV『アベンジャー』は、2022年発表の『コマンダー』以来、約2年ぶりのニューモデルとなった。6つの走行モードが選べる「セレクテレイン」と、急な下り坂でも一定速度で走行できるようアシストする「ヒルディセントコントロール」の標準装備は、ジープの前輪駆動車としては初の事例。ヘッドランプよりも前に配置されたフロントグリルやアンダーボディのスキッドプレートなど悪路も安心のジープらしい車体保護設計に加え、最新の運転支援システムを多数搭載している。
●ボディカラー:スノー
●右ハンドル
●(全長)4,105㎜×(全幅)1,775㎜× (全高)1,595㎜
●前輪駆動
●乗車定員:5名
●最高出力:115Kw(156ps)
●最大トルク:270N·m(27.5kgm)
株式会社Jackery Japan
TEL:
TEL:
https://www.jackery.jp/
東京都中央区晴海1丁目8番10号 トリトンスクエアX棟3階
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2024年10月25日 発行
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