2022年8月30日 PR
世界中を混乱の渦に巻き込んだ新型コロナウィルス。人類は、見えない相手を敵にした新たな課題に直面している。その戦いに、オゾンという武器で立ち向かう、タムラテコ社。そして、医療機器・生体材料分野の課題解決に新たな技術で取り組む、マトリサージ社。若き中小ものづくり企業の両代表に目指すべき未来を語ってもらった。
―まずは簡単に事業の紹介をお願いします。
田村社長:我々タムラテコは、オゾンを活用した商品の企画・開発・製造を行っています。オゾン層で名前は知られていますが、実は強い酸化力があり、非常に強い消毒効果を持っています。しかも使用後は酸素に戻りますので、医療現場をはじめ多岐にわたる場面で使っていただける製品機器を製造・販売し、確かなエビデンスに基づくオゾンのテクノロジーを提供しています。
八木社長:私は外科医として留学先のアメリカで再生医療の研究をしていた時に、「脱細胞化」という技術に出会いました。生体(実験対象は豚)の臓器から細胞を取り除くと透明なコラーゲンが残り、それには様々な臓器の自己修復力を促す効果が実証されています。このコラーゲンを使った医療機器の開発を事業化するためにマトリサージ社を創業しました。
―どのような経緯でお二人は出会われたのでしょう。
八木社長:私がマトリサージ社を立ち上げる流れの中で、当初、JSR株式会社さんの産学連携事業に採択いただき、その後、東京都のAMDAPというベンチャー支援事業の支援を頂いたんです。そこで、田村社長と出会いました。
田村社長:八木先生と初めてお話しさせていただいた時に、純粋に医療、臓器再生の事業という非常に壮大な夢に共感させていただきました。しかし、それ以上に、外科医として日々精進されている中で、先端の技術で新しい医療の可能性を切り拓き、人々の役に立つ新たなイノベーションを起こそうという気概に惹かれたんです。生意気かもしれませんが、私は何の仕事というより、誰と仕事をするかを大事に考えています。我々の事業も根幹には人々のお役に立ちたいという思いがあり、その理念のようなところに共感し、ぜひご一緒させてくださいと。
八木社長:私が研究している医療の分野は、すぐにお金になるものでもなく、相当に時間がかかります。産学連携とはいえ、そこを支援しようという経営者は、そんなに多いわけではありません。お人柄を含め、腹の底からご一緒させていただけると想えた田村社長と出会えたのは非常に幸運だったと思っています。
田村社長:我々が扱うオゾンは、まだまだマイナーな領域です。それ故、科学的に実証された安全性や環境に対する負荷の少なさをエビデンスも含めて、使っていただく皆さんにどうやってお伝えするのかは、常に課題としてあります。その意味では、外科医として、医療の研究者として事業を起こされた八木先生が、なんらかの形でオゾンを使ってくださっている。その価値はお金に換算できるものではありません。
―そのオゾンについて少し詳しく教えてください。
田村社長:オゾンは酸素の同素体で、塩素とか過酸化水素のように有機物を分解する強い酸化力を持っています。ただ、それらの薬剤と決定的に違うのは、オゾンは酸素からできているので使用後は酸素に戻る、つまり残留性がなく、自然に帰るということろです。ですから、医療の現場ではゼロバリデーションな消毒方法として、飲食店やスーパーなどでは、安全な消毒手段としてオゾン水が食材や器具の洗浄・消毒に使われています。あと、東京都の救急車両ですね。感染症の患者さんが搬送されるケースもありますので、少しでも安全に搬送するためにオゾンが導入されています。
八木社長:我々が扱う細胞やコラーゲンは非常に繊細なもので、通常の殺菌消毒の薬剤を使用すると機能が落ちてしまうんです。それに対してオゾンは、ウィルス除去効果もしっかりしている上に対象への負荷が少なく、人にも環境にも優しいという利点があります。実は、田村社長とお会いするまで、オゾンのことをよく知らなかったんです。お会いした直後にコロナで世の中が大きく変わってしまって。それを機にオゾンを勉強したんです。医療にかかわる我々にとって安全性が非常に重要なのですが、それは製品だけなく従業員や環境すべてにおいて必要で、そこにオゾンが活用されるべき基盤技術だと確信しました。
―それぞれの事業について、これからの展望を教えてください。
八木社長:マトリサージ社で開発しているのは、細胞を使わずに動物から取り出したゲル状のコラーゲン、充填材です。この材料が実用化できるようになると、生体親和性が高く、臓器の損傷部分に充填することで、炎症反応を起こさずに損傷部分を保護ながら体内で自然に吸収され、様々な合併症の軽減に役立つと考えています。現在は腎臓を主な対象として研究を重ねています。研究データでは腎臓組織を再生させる機能を兼ね備えている可能性が示されています。ゲル状の医療機器ですので、身体中のいろいろな組織や臓器に使用できる可能性がありますので、徐々に適用を拡大していきたいと考えています。田村社長のご協力をいただき、その脱細胞化コラーゲンを作る工場が間もなく竣工する予定です。
田村社長:弊社は最近「The Future with ozone for One Health」というキャッチフレーズを掲げました。例えば、コロナのような社会的な問題に対しては、人間の健康だけではなく、他の動物や植物、環境も一体として考えるべき時代になっています。アプローチの仕方として、あらゆるものの要素を考えながら解決を導き出さないといけない。例えば、八木先生の医療領域において、今後避けては通れない問題として、AMR、いわゆる多剤耐性菌の問題があります。薬剤に起因する問題に対して、オゾンは酸素からできて酸素に戻る自然回帰型でしかも多剤耐性菌を生まない消毒方法です。すべての消毒をオゾンで賄うことは現実的ではありませんが、極力薬剤に頼らないというスタンスの象徴として、我々が担うべき役割があると考えています。間もなく完成するマトリサージ社の工場でも、我々のオゾンの技術を生かしつつ、科学的なエビデンスに基づいてAMRに配慮し、One Healthをも具現化する、そんなスマート工場にしたい。そして少しでも世の中に、多くの方々に貢献していきたいと思っています。
生体材料という最先端のテクノロジーを支えるタムラテコのオゾンの技術。それだけにとどまらず、医療の世界に横たわる課題の解決をも視野に入れて前進する田村社長と八木社長。異なる業種の先駆者同士が理念の共振を得て生まれたシナジーは、サスティナビリティが叫ばれる世の中に一筋の光明を見せてくれている。
株式会社タムラテコ 代表取締役
田村耕三氏
1971年生まれ。大阪市立大学卒業後、大手家電メーカー、医療機器メーカーの取締役を歴任し、2003年に株式会社タムラテコを創業。以後約20年に渡り、オゾン製品及びオゾンを併用する紫外線の製品を専門に、企画・開発・製造販売・メンテナンスを実施。第23回「東大阪モノづくり大賞」金賞受賞。国立大学法人大阪大学経済学部非常勤講師(2013年~2014年)
慶応義塾大学医学博士
MatriSurge株式会社 代表取締役
八木 洋氏
1974年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、約20年に渡り、日米の医療機関に外科医として従事。2010年に米国Massachusetts General Hospital から慶應義塾大学医学部に復帰。生体材料分野の研究開発に従事し、2019年に同大学発ベンチャーとして「脱細胞化」技術による医療素材の開発を行うMatriSurge株式会社を創業。
株式会社タムラテコ
大阪府東大阪市長田東2-1-33 長田平成ビル4F
TEL:06-4309-1350(代)
E-mail:info@teco.coJp
FAX:06-4309-1360
http://www.teco.co.jp
MatriSurge株式会社
東京都目黒区自由が丘2-16-26
https;//www.matrisurge.cojp/
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2024年10月25日 発行
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