2016年9月29日
外国人観光客たちが、いよいよ東北に戻ってきてくれた。そんないま、私たちがすべきことは何だろう。
日本政府観光局(JNTO)の発表によれば、今年7月に日本を訪れた外国人の推計値は、229万6500人。単月では過去最高の記録で、現政権の当初目標だった「年間2000万人」は確実視されていることから、2020年に向けてさらにハードルを上げるというのだから恐れ入る。
東北も好調だ。観光庁によれば、昨年度の6県の外国人延べ宿泊者数は、ついに震災以前の2010年を上回ったそうだ。だが、全国平均では5年で2倍以上になったのに対し、東北はやっと震災以前の水準に戻ったに過ぎない。政府は今年度を「東北観光復興元年」と位置づけ、積極的な誘致のためのPRを仕掛けるという。つまり、これからが本番なのだ。
問題は、日本を訪れる彼らに、私たちの東北の素晴らしさをどう知ってもらうかだ。インターネット上の動画サイトなどでは、実際に旅した外国人たちが魅力を紹介してくれているが、彼らの好意に甘えてばかりもいられない。新たなビジネスチャンスにもつながる話だけに、私たち自身が動く必要があるだろう。
日本人の「おもてなし」精神は、海外でも知られつつある。実際、旅行者たちの評価も高いのだが、ひとつ不満がみられるのは、やはり「言語の壁」だ。こればかりは「伝統」では済まず、私たち自身が「変わる」決意をもたなければならない。
グローバル時代の到来が叫ばれて久しいが、ネット環境の話ではなく、現実の仕事や暮らしにも大きく関わろうとしている。4年後に向けて、この流れはさらに加速することになるだろう。ならば、日本及び東北の伝統と新時代への対応を合わせて迎えるのが、ビジネス創出の実行フェーズへの第一歩となろう。
その前提として、まず私たち自身が「自分の国の、自分の街の魅力を知ること」が不可欠だ。世界で通用するモノづくり、人材教育への取り組み。東北の国際化を目指して、まずは「現在の東北」を学びたい。
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2024年09月27日 発行
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