Special Issueビズスタ特集

パターを待つボールの姿に 平穏な春を噛みしめる。

パターを待つボールの姿に 平穏な春を噛みしめる。

2017年3月10日

時の流れの速さが信じられない。明日は3月11日、あれから丸6年。あとひと月もすれば、また桜の季節がやってくる。
春が訪れるたびに、穏やかに花を愛でられることを、幸せに思う。やわらかな陽光、高い青空、そして可憐な桜は格別だが、もうひとつ、心の底から癒される場所がある。広大な風景、理想的に整備された自然美。それは、ゴルフ場だ。
ゴルフの起源には諸説あるが、14世紀頃のスコットランドのヒツジ飼いたちの遊びだったとするのが有力なようだ。放牧地でウサギの巣穴に木の棒で小石を打ち込んだのだ、バンカーは風を避けようと寄り集まったヒツジたちの重みでできたのだ…想像すると、なんとも牧歌的なシーンではある。やがて貴族も夢中になり、弓術の鍛練を怠るようになったため、1457年にはスコットランド王のジェームス2世が「ゴルフ禁止令」を発したとか。慌ただしい私たち現代人が癒しを感じるのも当然のこと、というわけだ。
幸い、仙台周辺には、素晴らしいゴルフ場がたくさんある。たとえば、「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント開催コース」である利府ゴルフ倶楽部は、何もかも忘れそうな広大なフェアウェイを有する。アップダウンやブラインドが少ないレイアウトなので、開放感を味わうのにぴったりだ。また、お隣り福島県のボナリ高原ゴルフクラブは、見事な景観を誇る名コース。特に3番のロングホールは「日本一」に推すゴルファーも多いので、一度は攻略してみたい。
ラウンドの汗を流し、仲間とプレーを振り返り、雑談に花を咲かせる。そんな何でもない光景も、よく考えてみれば、かけがえのない時間。桜も見守る芝の上、カップの脇で締めのパターを待つボールの安らかな佇まいを見つめ直し、改めて「幸福」に気付く。そんな、春の一日。

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