2017年9月29日
親からの想いまで受け継ぎ、次世代へと引き継いでいくために。
今から考えたい、家族の絆と相続・贈与。
就活に婚活、そして妊活。最近、巷には「活」という字が溢れているが、それぞれ「人生の節目」にあたるタイミングを指しているのが興味深い。大変さが伝わってくるが、乗り越えれば「新たな自分」が待っている、といったところだろうか。
そしてもうひとつ、重大な「活」がある。生誕と並んで人生で最大の出来事、最期を迎えるための準備活動「終活」だ。まだまだ先の話と考える人が多いだろうが、自分自身ではなく、両親のことを思うと高を括ってもいられない。
終活には身の回りの整理や大切な友人たちとの交流などが含まれるようだが、身内の視点から見ると、相続という大きな課題が待っている。終活で解決策が見えているならまだしも、突然の事故や病気まで視野に入れると、「まだ猶予がある」とは限らない。あまり考えたくないことではあるが、いざとなってから困るのを避けるには、事前の準備は必須と言えよう。
財産の相続は、法的に有効な遺言書がない場合、遺産分割協議で割合を自由に決めることが可能だ。だが、相続税がかかるため手元に残せる財産は制限を受ける上に、残念ながら家族間で争いが発生するケースも少なくないのが実情だ。
相続を受ける側の負担を減らし、かつ本人の意思を反映できる手段として、生前贈与という手段もある。もちろん贈与税がかかるが、これを軽減、あるいは非課税化できる制度もあるので、まずは調べて学ぶことがセオリーだろう。
相続の「相」は「すがた」とも読む。「生きた者のすがたを受け止め、後世へと継ぐ行為」と捉えるなら、個人主義が強まる現代社会に対するアンチテーゼのようにも感じないか。単に財産の受け渡し上の手続きではなく、生の時間と想いまで伝え、受け取ること。終活"ばやり"は、私たちが「何か」を思い出した証なのかもしれない。
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2024年09月27日 発行
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