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最先端のがん治療として成果を上げている“重粒子線がん治療”『山形大学医学部東日本重粒子センター』が誇る“重粒子線がん治療”が朗報をもたらしている

最先端のがん治療として成果を上げている“重粒子線がん治療”『山形大学医学部東日本重粒子センター』が誇る“重粒子線がん治療”が朗報をもたらしている

2024年11月29日 PR

【写真上】2024年7月1日より重粒子線治療センター長に就任した東北大学医学部出身の、小藤昌志放射線医学講座放射線腫瘍学分野教授

北日本で唯一の施設。短期間の治療が可能 
日本人の2人に1人が罹患するといわれているがんの治療で近年、注目を集めているのが『山形大学医学部東日本重粒子センター』だ。一般にがんの治療法はがんを取り除く手術、抗がん剤などを使用する化学療法、さまざまな放射線を照射する放射線治療が三本柱で、なかでも、各臓器の機能を残し治癒を狙える放射線治療は優れた治療法として知られている。北日本唯一の重粒子センターである同センターでは、放射線治療の中でも、最先端といわれる重粒子線治療を実践。重粒子線治療は炭素イオンを超高速に加速し、身体の外から内部のがん細胞を狙い撃ち、がん細胞中のDNAの分子構造を破壊する治療法だ。X線を用いる通常の放射線治療と比べ、がんに大きなダメージを与えるだけでなく、X線が効きにくい抵抗性のがんにも効果が高いことが知られている。同センターでは最先端技術の高速3次元スキャンニングで、がんに対し重粒子線を塗り潰すように照射。DNAを破壊されたがん細胞は分裂ができなくなり細胞死に至る。呼吸同期システムを備えており呼吸で動く臓器への照射も可能だ。体型・年齢を問わず照射ができ、照射している間、痛みや熱さを感じることもない。1回の照射時間は数分から十数分。1日1回の照射を数回から十数回で治療していく。短期間の治療に向いており、通常のX線の数分の一程度の日数で治療が済むメリットもある。

6月1日から3疾患が公的保険の適用対象に 
同センターでは身体の真横(水平方向)から重粒子線を照射する前立腺がん専用の固定照射室を設置。身体への負担がないため、ほとんどの人が通院で治療を受けられる。また、肝臓・すい臓など前立腺以外のがん治療を行う回転ガントリー照射室も完備。超電導技術を応用した回転ガントリーは360度最適な角度から照射できるので、患者は仰向け又はうつ伏せの楽な姿勢のまま治療を受けられる。患者にとってメリットが大きいことから治療患者数が近く累計で2000名に上る。治療に当たるのは放射線腫瘍医など30〜40名のエキスパートで、宮城県や東北大学出身のスタッフたちも活躍。難治がんとして知られるすい臓がん治療は外科と連携し、重粒子線でがんを小さくした後に手術を行うなど、治療が困難とされていた症例に新たな選択肢をもたらすケースもある。X線による放射線治療よりも生存率などの治療効果が優れていることが比較研究により科学的に証明された部位は公的保険が適用され、これまでの頭頸部腫瘍、骨軟部腫瘍*及び前立腺がん、すい臓がん*、長径4㎝以上の肝細胞がん*、肝内胆管がん*、大腸がん術後再発*、子宮頸部腺がん*に加え、2024年6月1日から新たに肺がん(Ⅰ〜ⅡA期)*、子宮頸部扁平上皮がん(長径6㎝以上)*、婦人科領域悪性黒色腫*の3疾患に公的保険が拡大された(*手術による根治的な治療が困難であるものに限る)(注/前立腺がんについてはX線に対して非劣性として保険適用されている)。

第一人者の小藤教授が加わり信頼と厚みを増す 
さらに今秋、重粒子線治療の第一人者として知られる小藤昌志教授がQST病院より着任。「2000年頃から重粒子線治療に携わっている私の知見を加味することで、よりよい治療の提供を考えています」と抱負を語る。同センターでの重粒子線治療は完全紹介制なので万が一がんと診断された場合、まずは現在の主治医と相談。切除や一般的な放射線治療など、他にもさまざまな治療の選択肢を取れる前立腺がんなどで重粒子線治療を受けたい場合は、自ら主治医に申し出ることも肝要だ。同センターは総合病院である大学医学部附属病院と直結。「重粒子線だけの施設とは異なり客観的な判断をできるのが強み」(小藤教授)で、総合病院の医療資源を十分に活用し重粒子線治療を提供。がんはもちろん、がん以外の病気の管理が必要な場合でも安心して治療を受けられる。腎臓がんや食道がんなど、保険適用外の部位は先進医療として治療が施されるため、民間保険の先進医療特約を使える場合も多い。女性の罹患数の多い乳がんは臨床試験を実施準備中だ。「重粒子線治療の長所は今まで治らなかった病気が治ること。負担なく治療できる場所が増える」(小藤教授)というとおり、将来的には不整脈など、がん以外の治療に用いられる可能性も期待されている。

  • 「山形大学医学部東日本重粒子センター」の建設計画は2004年にスタート。2005年には国立大学初の独立した「医学部がんセン ター」の認可・設立に至っている。
  • 重粒子線治療でがんに照射する、炭素の原子核を光の70%ほどの速度にする大型の加速器(シンクロ トロン)
  • 治療待機室エリアはリラックスして過ごせるよう、全て個室になっているほか、緊張感を抑えるため明るい配色が施されている。

【ビズスタおすすめ情報】

2024年12月15日(日)13時30分から山形県山形市の「山形テルサ」にて一般の方向け公開講演会
「重粒子線がん治療の実際と今後の可能性」を実施。参加申込の受付は下の二次元コードから。

山形大学医学部東日本重粒子センター
TEL: 023-628-5404 TEL: 023-628-5404 https://www.id.yamagata-u.ac.jp/nhpb/

住所/山形県山形市飯田西2-2-2
営業時間/9:00~17:00 定休日/土・日曜、祝日
交通/県庁市役所前/仙台駅前/広瀬通一番町から上山行き、高速バス「大学病院口」バス停下車、徒歩10分

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