2020年9月25日 PR
雫井脩介のベストセラーを映画化した衝撃の心理サスペンス映画「望み」。夫婦と息子、娘、4人で平和に暮らしていた家族。あるとき息子が失踪し、同じ日に同級生が殺された。息子は殺人犯か、もう一人の被害者か。罪を犯していないと信じるなら、「死」を受け入れなければならない―。極限の状況に置かれた時、家族は何を「望む」のか。そのストーリーは、ステイホームで家族との時間が濃密になった今、我々の胸により深く突き刺さる。主人公を演じた堤真一さんにお話を伺った。
―家族の葛藤を描いている作品ですが、観客の心を揺さぶる見所はどんなところだと思われますか?
父親と母親、それぞれの考え方の違いの描写ですね。父親は、やはり社会的な立場も考えてしまう。高校受験を控えた娘のこととか、自分の仕事のこととか。「あいつはそんなことしない」と信じるのも自分のためか、息子のためなのか。本当は生きていてほしい、でも犯罪者は嫌だ、という心情です。対して、母親は犯罪者でもいいからとにかく生きていてほしい。加害者だとしても彼なりの理由があると信じたい。愛情の深さがすごいですよね。どちらが正しいとかではないけれど、本当の愛情というものは、条件や前提など、一切ないものなのではないかと思いました。
―役作りで苦労された点は?
当初は、激しい感情を出せるところは出していこうと思っていたのですが、演じていく中でそういう父親ではないことがだんだんわかってきて。自分に引き寄せると感情が態度に出そうなのですが、それをストレートに表現する人ではない。最初に思っていたイメージとは全く違う役作りになりました。
―堤さん本人が主人公のような状況になったらどうされると思いますか?
僕なら息子があんな態度とったら「何かあったんだろ?ちゃんと言え」と言いますね。それと事件が発覚したあとは、望みより後悔ばかりが出てきそうです。自分のせいで加害者になったのかもしれないと。「こういう育て方をしたから」とか、「こういう部分を野放しにしてしまったから」とか。だからこそ、とにかく誰よりも早く自分の手で探してぶちのめしてやりたい!となると思います。
―家族との関係を考えさせられる映画ですが、堤さんご自身は最近「家族との絆」について考えたことはありますか?
緊急事態宣言でずっと家にいたのですが、そのおかげで家族といる時間の大切さに気づかされました。忙しさで自分が擦り減ってしまうような仕事はしたくない。本当にやりたい、やるべきだと思うものを優先していきたい、と考え方が変わりまし
た。
―最後に、読者にメッセージをお願いします。
それぞれの立場で共感できたり、逆に自分とは違う考え方にハッとしたりする映画だと思います。また、現代社会の問題が浮き彫りになっているのも見所です。今の日本では、犯罪者の家族まで犯罪者扱いされたり、その家族が離散に追い込まれたりすることもありますが、そんな状況はおかしいのでは?というメッセージもこの作品には含まれていると思います。社会が一斉に石を投げ始めたとき、自分も一緒に石を投げる側になっていないか。そんなことも考えさせられる作品です。
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