2019年7月30日 PR
その鋭い眼光から悪役を演じることも多い遠藤憲一氏。
だが、制作現場を、そして視聴者を魅了する存在感は圧倒的で、最近はシリアスやコメディ、ハートフルドラマなどにも引っ張りだこ。「どんな難役でもこなしてくれる」という信頼感は来月からの新作ドラマでまた証明されることになりそうだ。
8月3日に放送開始の『それぞれの断崖』は、「主役は彼に」と決めた番組プロデューサーが、遠藤氏のスケジュールの調整を1年も待ったという期待の作品。今回は、極めて複雑な立場に置かれた父親役に挑戦中の遠藤氏にお話を伺った。
―遠藤さんに憧れる男性は多いかと思いますが、逆に遠藤さんが憧れる男性像は?
ご好評いただいているなら嬉しいのですが、こう見えて、とても心配症でしてね。日常生活でも芝居でも「ダメ出し」に弱くて。なぜダメなのかを自分でも理解できた時は、落ち込みまくります。だから心が強い方は尊敬しますね。
―意外ですね。心の強さというのは?
生涯のテーマでもあるのですが、役を演じることを含めて「生きていることが楽しい」という境地を目指しています。誰でも「今は楽しい」と言えることはあると思いますが、大きな壁に当たった時でも「問題ない、大丈夫」と言える心の強さが欲しいですね。
―そのために、何か心がけていることは?
逞しい心は「シンドい」と感じることを乗り越えて作るものだと思いますので、逃げないように…。
―現状での達成度はどのくらいですか?
4割ぐらいですかね。まだまだです(笑)。
―ストイックな毎日のようですが、息抜きはどうされていますか?
もともと、何かモノを作ることが好きなんですよ。作品づくりもそのひとつですね。相手役とよい絡みができた時などの喜びは大きいですから、これを得ることが息抜きになっているのかもしれません。
―作品といえば、8月から主演ドラマがスタートしますね。息子を殺された「被害者の父」でありながら「加害者の母」への愛情も生まれるという複雑な役柄のようですが、脚本を読んだ感想は?
たじろぎました(笑)。でも、難役はこれまでにも乗り越えてきたので、また新しいハードルに挑戦するのもいいなと思ってお引き受けしました。
―聞いただけでも難しそうな役ですよね。
そうですね。心情の変化を細かく表現しなければならないので、現場では「映し方」の打ち合わせを重ねました。俺、すぐ攻撃的な顔になるので(笑)。
―主人公の人間像はどう捉えていますか?
もし自分が同じ境遇に置かれても、きっとこうはならない。でも、同じ痛みの中にいる加害者の母を想う気持ちは、単なる憎しみでも恋愛でもない人間的な心情ですよね。特に、ほっとけなくて近づいていく過程の部分については、とにかく丁寧に演じるよう心がけています。
―プロデューサーの方は、遠藤さんのスケジュールが空くのを1年も待ったそうですね。まさに惚れ込んだということですよね。
嬉しいお話ですが、責任も重大で(笑)。重いテーマながら、撮影現場は意外にも明るい雰囲気で、皆さんに助けていただいています。本作はヒューマンサスペンスの要素もあるので、登場人物と一緒にハラハラ感を楽しんでいただければ。まずは気楽に「覗き見」してほしいですね。
俳優 遠藤 憲一さん
1961年6月28日生まれ、東京都出身。1983年の「壬生の恋歌」(NHK)でデビュー。2009年放送の連続ドラマ「湯けむりスナイパー」で連続ドラマ初主演を果たす。
時代劇や刑事ドラマ、サスペンスなど幅広く活躍しキャリアを重ね、コミカルな役柄や、気の弱い役柄などギャップを活かした演技にも定評がある。また、映画の吹き替えやナレーションも数多く手掛けるなど、幅広い分野で活躍している。
オトナの土ドラ「それぞれの断崖」
2019年8月3日(土)~9月21日(土)<全8話>
毎週土曜日/23時40分~24時35分 東海テレビ・フジテレビ系全国ネット
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