Special Issueビズスタ特集

日常に潜む疑惑と不安。交錯する想いと葛藤。

日常に潜む疑惑と不安。交錯する想いと葛藤。

2023年11月23日 PR

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12月から公開となる話題の映画「隣人X-疑惑の彼女-」。ある時、日本は故郷を追われた惑星難民Xの受け入れを決めるが、人間の姿で紛れ込むXへの不安が世間に広がっていく。週刊誌記者の笹はスクープのためX疑惑のある良子に近づくが、やがて恋心を抱くように。正体を隠して近づいた罪悪感、捨てきれない疑惑、記者としての矜持に引き裂かれる複雑な役・笹を演じた林遣都さんに見どころを伺った。

―脚本を読んだ時の感想を教えてください。

Xという得体の知れないものが登場し、どんな世界の物語なんだろうと興味を抱いたのですが、描かれているのは現代社会で起きていることや、この世の中で生きることに苦悩する人たちの姿でした。その中で希望となるような人が現れ、その人物を通じて世の中への願いが込められているような作品。すごくやりがいがありそうだと感じました。

―役作りで苦労されたことは何ですか?

僕が演じる笹は、人を陥れる行動を取り、自分もそれに葛藤し、苦悩する役です。人を傷つけて自分も傷つく、ダブルパンチを食らうような役で、撮影のカットがかかる度に「しんどいな」と。殺したり殴ったりという演技は本当にやるわけではないので、どこか割り切れますが、心にダメージを負う役はメンタル的に負荷もかかり難しいなと思いました。

―そんな風に生きづらさを抱える笹について、どんな印象を持たれましたか?

笹は今までいろんな屈辱も味わってきて、社会で仕事をする上で野心もあり、認められたいという思いも強い人物です。同時に、どんな手を使ってもお金を手に入れて助けたい人がいる、という事情もあって。正しい道に引き戻してくれそうな人が現れても気づけなくて、その結果望んでいなかったようなことが起こる。両親がいなかったり、本当に複雑にいろんなことを抱えていて「ぶれてもしょうがない」って思ってしまうような役です。

―恋愛ドラマとしての見どころを教えてください。

わかりやすく「恋をして愛し合って」という恋愛ではないです。良子さんは人とあまり関わらなかったり、職業に対しての偏見を持たれて世間から「普通じゃない」と言われてしまいます。そこにXの疑惑が絡んできてさらに苦しい思いをするのですが、弱さや痛みを味わっているからこそ他人の良さに気づけるし、気持ちに寄り添える。そんな良子さんに笹が救われ、恋愛へとつながります。すごく深い愛を描いているなと思いました。

―熊澤監督とのお仕事はいかがでしたか?

監督からこういった題材を扱う上での熱を凄く感じたので、それに応えたいという思いで演じていました。激しい感情表現も多かったのですが、食らいついていこうと。良子役の上野樹里さんは常に妥協のない方で、自分を犠牲にしてでも作品のことを一番に考える、その姿が役者としてとても魅力的でカッコよくて。監督とも上野さんとも意気投合した空気感の中で撮影を進めることができました。

物語が二転三転し、予想外のラストが待ち受ける「隣人X-疑惑の彼女-」。ファンタジーの形で現代社会の問題に斬りこんだ本作は、いろいろな視点から考えさせられる作品となりそうだ。この冬、ぜひ鑑賞してみてはいかがか。

俳優 林遣都 さん

1990年12月6日生まれ、滋賀県出身。2007年に「バッテリー」で俳優デビュー。高い身体能力を武器に、水泳飛込競技を題材にした「ダイブ!! 」や、箱根駅伝を舞台にした「風が強く吹いている」に出演。以降、ドラマや映画、舞台など幅広いジャンルに挑戦している。近年の主な出演作に、ドラマ「初恋の悪魔」、日曜劇場「VIVANT」、映画「犬部」、「恋する寄生虫」、「アリスとテレスのまぼろし工場」(声優出演)など。2024年1月スタートのドラマ「おっさんずラブ‐リターンズ‐」放送、2月9日に映画「身代わり忠臣蔵」の公開を控える。

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隣人X -疑惑の彼女-
12月1日(金)全国ロードショー

出演:上野樹里/林遣都/黃姵嘉/野村周平/川瀬陽太/嶋田久作/原日出子/バカリズム/酒向芳 ほか
監督・脚本・編集:熊澤尚人 原作:パリュスあや子「隣人X」(講談社文庫) 音楽:成田 旬
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2023 映画「隣人X 疑惑の彼女」製作委員会 ©パリュスあや子/講談社

STORY
ある日、日本は故郷を追われた惑星難民Xの受け入れを発表した。人間の姿をそっくりコピーして日常に紛れ込んだXがどこで暮らしているのか、誰も知らない。Xは誰なのか?彼らの目的は何なのか?人々は言葉にならない不安や恐怖を抱き、隣にいるかもしれないXを見つけ出そうと躍起 になっている。

週刊誌記者の笹は、スクープのため正体を隠してX疑惑のある良子へ近づく。ふたりは少しずつ距離を縮めていき、やがて笹の中に本当の恋心が芽生える。しかし、良子がXかもしれないという疑いを払拭できずにいた。良子への想いと本音を打ち明けられない罪悪感、記者としての矜持に引き裂かれる笹が最後に見つけた真実とは。嘘と謎だらけのふたりの関係は予想外の展開へ…!

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