2021年5月27日 PR
戊辰戦争で日本中が東軍と西軍に分かれて戦う中、近代兵器を備えて武装中立を目指したという長岡藩の家老・河井継之助。その生き様を描いた司馬遼太郎の大ベストセラー「峠」が、初めて映画化された。
世界的視野とリーダーシップで坂本龍馬と並び称され、敵対していた西郷隆盛や勝海舟さえもその死を惜しんだと言われる、知られざる英雄・河井継之助。動乱の幕末に生きた「最後のサムライ」を演じた役所広司さんに、映画と物語の魅力を伺った。
立派な男だと。100年、200年後の日本人のために、戦のない世を願った。そしてその願いが叶わなかったときも、新政府軍に寝返るのではなく、あえて戦の道を選んだ。徳川幕府にこれだけ長い間お世話になってきたのに新政府軍におもねって、日本人はそういうやつだと思われていいのか?と。
「サムライとはこういう人間なんだ」というメッセージを後世に残すプライドを感じました。
小泉監督は原作に惚れ込んで脚本・映画化されたのですが、3巻もある司馬先生の長編小説、しかも幕末の動乱の1年という歳月をたった2時間の映画にするのは非常に大変だったと思うんです。脚本では切り捨てなければいけない部分も多い。
それだけに、原作を読んで人物像を探り、演じるに当たって脚本を深く理解する手掛かりにしました。
人としての美しい在り方、小泉監督がこだわって描き続けてきたものです。損得勘定だけではなく、正しく美しく生きるためにこんなことをした人間が僕たちの先祖にはいたんだ、ということが伝わる作品になっています。
人物の行動もそうですが、力強い言葉もたくさん詰まった映画です。それからロケ地の魅力も見所ですね。原作に登場する実際の場所でロケをし、重要文化財なども使わせていただいたんですが、そこに当時の格好をして立つとタイムスリップしたような気持ちになって。
そういったことからも演じるパワーをもらった気がします。
スピードですね。時代を読んで判断をしたわけですね、藩の私財を売って近代的な武器を買い集めるべきだと。だからこそ、敵軍5万人にたった690人という人数でも、数日間は持ちこたえた。
戦争するかどうかわからないのに…ではなく、民の暮らしを守るという大きな目的のため無駄を省いて設備を整える、まさに決断力ですよね。
もちろん反対も多かったでしょうが、それを説き伏せるだけの知識と人間的な魅力があったのだと思います。
会社も「美しい仕事をする人間の集団」であってほしいですね。難しいことかもしれませんが、それぞれが人間として正しいことが何か考えてビジネスをする。
商品やサービスは、本来誰かを助けるためのものだと思うし、そんな信念を持って頑張っていただきたいです。
ヘアメイク/勇見勝彦(THYMON Inc.)
スタイリスト/安野ともこ
カメラマン/黒田明臣
アシスタント/鈴木悠介 (XICO Inc.)
衣装/EMPORIO ARMANI(エンポリオ アルマーニ)
<問合せ先>ジョルジオ アルマーニ ジャパン株式会社/東京都中央区銀座5-5-4 アルマーニ/銀座タワー 03-6274-7070
1956年1月1日生まれ、長崎県諫早市出身。85年、故・伊丹十三監督の『タンポポ』に出演。その後、俳優として数多くの作品で主演を務め、96年には映画『Shall we ダンス?』『眠る男』『シャブ極道』において国内の映画賞で主演男優賞を独占。
カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した『うなぎ』、東京国際映画で最優秀男優賞を受賞し『CURE』(ともに97年)など、国際的にも高い評価を受ける。2012年には紫綬褒章を受章。第42回日本アカデミー賞 最優秀主演男優賞を受賞した『孤狼の血』(2018年)、シカゴ国際映画祭で最優秀演技賞を受賞した西川美和監督『すばらしき世界』など、近年の作品では、特殊な人物を演じ話題を生んだ。
キャリア40年を超えてもなお、俳優業に挑みつづける姿は、その作品に触れたものの眼差しをとらえて離さない。日本を代表する俳優として活躍中。
出演:役所広司
松たか子 香川京子 田中泯 永山絢斗 / 芳根京子 坂東龍汰 榎木孝明 渡辺大 AKIRA / 東出昌大 佐々木蔵之介 井川比佐志 山本學 吉岡秀隆 / 仲代達矢
監督・脚本:小泉堯史 音楽:加古隆 エンディング曲:「何処へ」石川さゆり(テイチクエンタテインメント)
原作:司馬遼太郎『峠』新潮文庫刊 配給:松竹、アスミック・エース
公式HP:touge-movie.com ©2020『峠 最後のサムライ』製作委員会
※上映に関する最新情報は、映画公式サイト、劇場サイトをご確認ください。
STORY
慶応3年(1867年)、大政奉還。260年余りに及んだ徳川幕府は終焉を迎え、諸藩は東軍と西軍に二分していく。慶応4 年、鳥羽・伏見の戦いを皮切りに戊辰戦争が勃発した。越後の小藩、長岡藩の家老・河井継之助は、東軍・西軍いずれにも属さない、武装中立を目指す。戦うことが当たり前となっていた武士の時代、民の暮らしを守るために、戦争を避けようとしたのだ。 だが、和平を願って臨んだ談判は決裂。継之助は徳川譜代の大名として義を貫き、西軍と砲火を交えるという決断を下す。妻を愛し、国を想い、戦の無い世を願った継之助の、最後の戦いが始まった…。
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2024年09月27日 発行
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