2021年1月14日 PR
古代より世界中の人々を魅了してやまない「金」。精錬せずとも自ら光り輝く金は人類が最初に発見した金属ともいわれている。紀元前6千年頃のメソポタミア文明の金細工をはじめ、ツタンカーメン王の黄金マスク、中世ヨーロッパの装飾品など、名誉や豊かさの象徴として人類の歴史とともに歩んできたといっても過言ではないだろう。熱や湿気、酸素といった化学的腐食を受けにくい不変性に加え、鉱石1トンから4~5グラムほどしか採取できない希少性、さらには国際的な流通性。「有事の金」という言葉もあるように、現在のコロナ禍では実物投資の対象としてもより一層熱い注目を浴びている。
そんな貴重な金を使い、美しい工芸品を生み出すのが、日本の伝統技能「金工芸」である。金を使った装飾品は世界各地で見られるが、美術工芸品は日本以外にあまり例がない。17世紀初頭、日本では佐渡金山の発見によって金の採掘が本格的に始まり、大判・小判といった貨幣が製造された。さらに装飾品の人気が高まったことで、金属加工専門の職人である錺職(かざりしょく)が誕生し、精緻な造形技術により美しい作品が生み出されるようになった。こうした金工芸の発展により「金」を保有するだけではなく、身近に置き、愛用し、資産として残すことへも価値が高まっている。
江戸時代から続く優れた技術と至高の金属が結実した金工芸品。金に微量の銀や銅を混ぜて1万分の1ミリという薄さに延ばす「金箔」、金属の表面にみぞを彫り、溶かした金を埋め込む「金象嵌」、金槌を打って形を整える「鍛金」など、金の加工において日本は世界有数の技術力を誇っている。その創作物が千点以上も並ぶという「大黄金展」が広島三越(広島市中区)で開催される。日本に数人しかいない金工芸作家による仏具や茶道具、和洋食器のほか、生誕55周年記念トヨタスポーツ800、日産のスカイライン2000GTーR、国鉄0系東海道・山陽新幹線モデルなど、スポーツカー好きや鉄道好きにはたまらない貴重な作品も並ぶ。ほかに、ウルトラマンといったキャラクターをモチーフにしたオリジナル作品など、さまざまな趣向に合わせた金工芸が充実する。本展の見どころについて次ページで詳しく紹介しよう。
日本の伝統工芸ではあるものの、高い技術が求められる金工芸の作家は日本でも数少ない。この展示会では、重要無形文化財保持者(人間国宝)から次世代を担う若き作家まで、豊かな感性が光る作品が多数展示されている。特筆すべきなのは、装飾品ではなく「使える金」が揃っていること。ワイングラス、ぐい呑み、抹茶茶碗など、日常でも使えるような品物が充実している。
贅沢な輝きを纏う作品群の中でも特に見逃せないのは、人間国宝の奥山峰石氏による作品。「ぐい呑み 彫金桜」は、異なる金属を接着し、金槌で打ち込む「金工象嵌」という技法により桜の模様が創り出されている。金属の象嵌とは思えないような、繊細かつ大胆な自然描写。燦爛たる輝きの中にも日本らしいわび・さびが感じられる。また石川光一氏作のワイングラスは特別な日に使いたい逸品。金工芸と西洋の文化が融合した美しいデザインは、テーブルで艶やかに映えること間違いない。祝いの席でも用いられる器は節目の贈り物や愛⽤できる資産としておすすめだ。高価な金を使うことにためらいがあるという方は、「額シリーズ」はいかがだろう。油絵や⽇本画を飾りながら保存することに⽐べて、⾦で作られた額は劣化する恐れがなく、⼼置きなく堪能できる。常に輝きを放ち空間を美しく彩ることができる⼯芸品だ。
<遠藤兆映 原作>K24 額「厳島神社」
約50g、縦約13.1×横約18.3㎝ (額サイズ:縦約31.5×横約36.5㎝) 1,199,000円(税込)
重要無形文化財保持者(人間国宝)
昭和12年山形県生まれ。平成7年、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。平成9年、紫綬褒章を受章。60年以上にわたり、金工芸の道を歩み続け、独自の美しい世界を描いている。
石川工房三代目
石川工房五代目
昭和55年、石川光一氏の次男として浅草に生まれる。平成11年、伯父のもとで金工芸の技法を習得。初めての作品が金銀創作展で台東区長賞を受賞。平成13年から人間国宝・奥山峰石氏に師事。
金が持つ輝きは極楽浄土を想起するため、古来より仏具にも使用されてきた。「阿弥陀如来御西」は日本彫刻界の巨星・高村光雲の技を受け継いだ船谷喜雲の原作である。造形物としても完成されており、その凛とした佇まいは神々しい輝きを放っている。シンプルだからこそ質の違いが際立つのが「おりん」だろう。「おりん」は、金工芸作家が金槌で叩くことを繰り返し、30以上の工程を経て作られる。その音色を専門家が解析したところ、「1/fのゆらぎ」が検出された。これは、小川のせせらぎや風鈴の音といった人間が心地よいと感じる音に共通する周波数を表す。金で作られた「おりん」は、まさしく極楽浄土まで届くような澄んだ音色で聞きほれてしまうほどだ。
多種多様な置物が見られるのもこの展示会ならでは。干支でもある「丑」の置物をはじめ、子どもや孫の初節句が華やかになる黄金の雛人形、高さ約180㎝幅約150㎝、約1700枚の金箔を使った巨大な「金箔だるま」の特別展示など、縁起物や伝統的なモチーフ、車や人気キャラクターといった時流を反映した作品も一堂に会する。足を運び現物を見るだけでも相当な価値があり、豊かな気持ちになれるはずだ。金は展延性に優れ加工しやすいからこそ、作家の感性と技が明快に反映される。実物資産という点ではインゴットでも十分だが、金工芸品は日々の暮らしを豊かに彩ってくれる。伝統文化の伝承という面からも次世代に伝える家宝としてふさわしいといえるだろう。黄金が持つ普遍的な価値、輝き、そして日本の技と感性の粋を、「大黄金展」でぜひ確かめてほしい。
K24 雛人形 計約33g
お内裏様:高さ約7.0×幅約7.5cm
お雛様:高さ約6.5×幅約7.5cm
913,000円(税込)
INFORMATION
期間/1月21日(木)〜1月27日(水)
時間/10:30〜19:30 ※最終日は17:00閉場
場所/広島三越8階 催物会場
貴重な「金」を子どもや孫へ。お持ちの1kgのインゴットを100gのSGCオリジナルバー×10個に加工。この機会にぜひご利用を。
1kgの場合、加工手数料220,000円
(1gあたり220円)
切れたネックレス、片方なくしたイヤリングなど、自宅に眠っている貴金属をその場で現金買取り。
査定のみもOK。
広島三越
TEL: 082-242-3111(代表)
TEL: 082-242-3111(代表)
https://www.mitsukoshi.mistore.jp/hiroshima.html
広島市中区胡町5-1
営業時間/10:30〜19:30
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2024年09月27日 発行
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