2018年3月29日 PR
人は成長する生き物だ。たくさんの物を見て、経験して、触れて多くを学び、知恵となり知識となる。大人の私たちだってそうだ。日頃手に取るもの、食べるものに知らず知らず感性を磨かれたり、刺激を受けたりするものだ。今回は、生活を、いや心を豊かにする上質なモノをお届け。今に息づく伝統の美、固定概念を越えた大人のおもてなし、至高の食材……。さあ、“いいもの”を求めてでかけてみよう。
D E T A I L
江戸末期に誕生した薩摩切子は、クリスタルの上に色ガラスを重ねることで、カットをしたときに、透明感と色の濃淡を作ることができる。自社で製造する色ガラスは1~2mmの厚みに調整しているため、より感動的で際立ったグラデーションに。「薩摩びーどろ工芸」では、茶碗や盃、ワイングラス、フラワーベース、アクセサリーなど、形も色も様々な商品をラインアップ
C R A F T W O R K
吹き師によって造形されたガラスを切子師により繊細な模様を刻んでいく。彫り込むのは、ダイヤモンドホイールという特殊な機械だ。熟練の職人たちが、魚子文、薩摩縞、八角籠目、麻の葉小紋といった伝統的な柄から、独自にアレンジしたデザインまで、経験と感性を駆使して仕上げていく。手作りで行なっているため、全く同じものが二つとして生まれないのも特徴
明治維新から150年を迎える今、当時の文化を現代に伝えるのが薩摩切子だ。第11代薩摩藩主・島津斉彬の時代に生み出されたそれは、繊細な模様と美しい色の濃淡で、多くの人を魅了したという。斉彬公の死後以降、徐々に縮小していき長い間途絶えていたが、現代の職人の手によって復元され、今や鹿児島県の伝統的工芸品として確立している。一度手に取るとわかるが、赤や青などの色が表現する濃淡にまずは目を奪われる。業界としては珍しく、ガラスから製造することで、カットに必要な理想的な厚みを実現。そこに職人の熟練された手作業が加わり、薩摩切子らしい美しいグラデーションの〝ぼかし〞となり、これが上質な薩摩切子の証なのだ。
創業以来、金赤、瑠璃、藍などの着色を復元させてきたが、中でも「薩摩黒切子」と「薩摩ブラウン」はまったくオリジナルの色。さらに、逆さにすると桜島のシルエットになる「桜島盃」など、遊び心が光る創作品の数々も秀逸だ。唯一無二の意匠を再現し、時代に合わせて昇華させた薩摩切子は、特別な食事や晩酌をさりげなくも華やかに彩ってくれるだろう。
薩摩びーどろ工芸株式会社
[住所]鹿児島県薩摩郡さつま町永野5665-5
[電話]0996-58-0141
[ HP ]http://www.satuma-vidro.co.jp
エントランスにはのれん、店内の壁には大きく描かれた大手門。和の設えが錯覚させてしまうが、ここは正真正銘のガストロノミーレストランだ。しかし、その雰囲気が表すように、フランスと日本が溶け込み、「メイド・イン・ジャパン」というのが同店の基本姿勢。シェフの山下泰史さんが「日本人にも外国人にも日本を感じてほしい」との思いで、富士山をモチーフにしたプレートで出迎える。基本的に料理は季節の旬のもので構成し、食器は主に波佐見焼を使用。
愛媛県出身の山下シェフは、長崎、京都、東京の星付きレストランで修業し、本場フランスでの修行などを経験してきた。そして、2016年に自身の店を福岡で開くと、舌の肥えた福岡のフーディーにもすぐに受け入れられたのだ。時には和も感じるという、ジャンルの枠に捕らわれない個性豊かな料理をじっくり味わえるよう、コースに込めたシェフの演出も楽しみたい。
メニューは、全10品が登場する「おまかせコース」のみ。旬を意識した食材を見極め、その時々でコース内容を構成していく。テーブルにはカトラリーが揃い、ナイフやフォークが苦手な人もお箸を使って食することができるという気配りもうれしい
T TOAHISU
[住所]福岡市中央区大手門3-12-12BLDG64 1F
[電話]092-733- 4600
[営業]12:00~15:00(L.O.13:00)18:30~23:00(L.O.20:00)
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2024年07月25日 発行
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