2022年11月24日 PR
一日の疲れをとるはずの睡眠だが、翌朝すっきり起きられずに疲労も回復していない。イビキ・不眠症・過眠症などの睡眠障害に悩まされてはいないだろうか。2000年に睡眠医療専門クリ
ニックとして開設した『福岡浦添クリニック』の院長・山口祐司氏に、睡眠障害に潜むリスクと治療について伺った。(以下、敬称略)
現代の睡眠障害に増加する
電子スクリーン症候群
– 睡眠障害となる主な原因は何でしょうか?
山口 生活リズムの乱れやストレスなど原因はさまざまですが、近年特に多くなっているのは電子スクリーン症候群です。これはスマホやタブレットの画面を長時間観ることで、目や脳への刺激が過敏状態となって神経が過覚醒することです。通常、夜になるとメラトニンというホルモンが分泌され、体温を下げて睡眠を誘導します。しかし、ベッドに入ってもスマホを観たりゲームをしたりしてブルーライトを浴びると、メラトニンの分泌が抑制されて眠りにくくなるのです。
-スマホやゲームはできる限り控えないといけませんね。
山口 はい。電子スクリーン症候群の症状は睡眠障害だけでなく、イライラしたり、うつ状態になったりするほか、学習障害などが挙げられます。昼間に眠くなることで仕事や学業のパフォーマンスが低下しないように、体内時計のリズムを整えましょう。ハーバード大学の研究によると、体内時計の周期は24時間11分といわれています。この11分のズレが積み重ならないように、体内時計をリセットすることが大切です。体内時計には、中枢性と末梢性があります。中枢性の体内時計は朝に光を浴びることで脳の視交叉上核が交感神経を緊張させ、血圧や体温を上げて体を活動的にしていきます。末梢性の体内時計は肝臓や腎臓などすべての臓器にあり、朝食を食べることでリセットされるのです。
専門クリニックだから可能な睡眠の質を高める治療
– 睡眠障害の治療はどのように行うのでしょうか?
山口 以前は患者さんの9割近くが睡眠時無呼吸症候群の方でしたが、最近は日中に強い眠気に襲われるナルコレプシーの方も増えています。睡眠障害の治療では、睡眠時間を前後に移動させてリズムを整えます。光療法では朝に高照度の光を浴びることで、睡眠時間を前進させやすくなります。就寝時間が遅い睡眠相後退症候群の方は、メラトニンを処方して睡眠を促します。イビキや睡眠時無呼吸症候群の方は、動脈血酸素飽和度を測るパルスオキシメーターを一晩装着して無呼吸状態をスクリーニング。軽症から中等症だとマウスピースで気道を広げる科的療法、中等症から重症だと持続的に圧を加えた空気を鼻から送り込んで閉塞している気道を広げるCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸)療法を行います。
-貴院で行われる治療の特徴を教えてください。
山口 当院は私のほかにも日本睡眠学会認定医が2名在籍するほか、認定臨床検査技師も在籍しています。スクリーニングで無呼吸状態があると診断されれば睡眠ポリグラフ検査を行うのですが、認定臨床検査技師が脳波や睡眠の質をモニタリングするのでCPAPの適切な圧力調整が可能です。無呼吸状態をなくすだけのクリニックも多いですが、当院では少々の無呼吸が残っていても、睡眠の質が良くなる空気圧に設定することを優先させています。
– 睡眠に不安がある方にメッセージをお願いします。
山口 睡眠時無呼吸症候群は、夜間の酸素不足により高血圧症、不整脈、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、脳梗塞の要因となります。それぞれ別の疾患と思われがちですが、睡眠障害に起因するケースもあるのでご注意ください。そのほか、動脈血炭酸ガス分圧増加では、頭痛や頭重感が50%の人に出現します。覚醒反応による睡眠の断片化は、昼間の過度な眠気や集中力の低下、産業事故や交通事故にもつながるため、社会への影響も問題視されています。みなさんも睡眠に不安があれば、お気軽にご相談ください。
睡眠障害の治療に携わって20年以上になる山口祐司氏の著書。これまで出版されてきた睡眠関連の書籍は、「快眠方法」「睡眠の科学」「不眠症の治し方」「睡眠時無呼吸症」など睡眠の一般的または単独の病態に関するものが多かった。本書の特筆すべき点は、睡眠障害のほぼすべての症例が記載されていること。この点が従来の睡眠関連書籍と大きく異なっている。本書には『福岡浦添クリニック』で診察してきた代表的な症例をすべて網羅しており、それぞれの病気の診断法と治療法が記載されている。「現在の睡眠障害の治療は大きく進歩し続けていて、適切な治療を行えば、ほとんどの患者さんが改善します」と山口氏は話す。睡眠障害の知識や症例、治療法などを詳しくまとめた本書は、睡眠障害に悩む方々はもちろん、すべての医療関係者、会社の保健師、学校の先生、臨床心理士などにおすすめ。
[書籍名]専門医が教える症状から見た睡眠障害の診断と治療 [出版社]現代書林 [価格]1.430円
INFO
睡眠障害センター 福岡浦添クリニック
[住所]福岡市中央区六本松2-12-19 BCCビル9F [電話]092-737-2111(予約制)
[診療内容]睡眠障害全般、内科/呼吸器科、こころの病気、禁煙外来、ED外来、カウンセリング
[診療時間]月~土曜9:00~12:30、月曜14:00~19:30、火・水・金曜14:00~18:00
※こころの病気:水曜午後のみ、禁煙外来:火・水曜午後のみ、カウンセリング:金曜15:00~19:00
[休診日]日祝日
[HP]http://www1.odn.ne.jp/csrd/
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2024年07月25日 発行
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