2022年2月17日 PR
地域のクリニックをなくさないため、クリニックの事業承継は円滑に進めなくてはならない。それには医療法人の専門的な知識と、経営方針や診療方針への理解が求められる。
現代の日本では経営者の高齢化に伴い、中小企業の休廃業の増加が課題となっている。それはクリニックも同様で、後継者不足、医師や看護師の人材不足、建て替えや設備導入にかかる資金不足など、さまざまな要因で経営の維持が困難なところも少なくない。九州最大級の税理士法人グループの中核で、多数の医療機関の顧問を務める『税理士法人アップパートナーズ』と、グループ会社で医療系のM&Aを手掛ける『株式会社フォルテワン』の3人に話を伺った。※以下敬称略
-『アップパートナーズ』はなぜ医業の相談に強いのでしょうか?
菅 私たちは約550件の医療機関の顧問を務めており、九州では圧倒的な数字だと思います。所内で医科に特化した專門チームを設け、常に最新情報の共有に努めています。また、公益社団法人医業経営コンサルタント協会認定のコンサルタントが在籍していることも強みです。
古舘 『フォルテワン』もグループ会社の一つですから、医療系のM&Aの実績が豊富にあります。
菅 企業だと社内承継もありますが、クリニックではほとんどなく、親族内承継か第三者承継に二分されます。親族が医業を継ぐ場合は相続税がかかるので、利益を抑えるように経営をシフトさせていきます。一方、第三者に売却する場合は、たくさん利益が出ている方が売りやすいですが、そうでない場合でも落とし所を見極めた提案をするようにしています。
古舘 M&Aによる第三者承継の場合、条件に適した売却先を見つけられる人脈の広さも当グループの強みです。近年は専門医制度によって開業する年齢が上がってきているので、新規で医療設備を整えなくて済むように、承継開業を目的とした譲受側からの依頼も受けています。
豊福 グループ全体が「医業に強い」と認識されているので、保険会社や金融機関からの紹介など、顧問先以外からの依頼もありますね。
-クリニックの親族内承継について教えてください。
菅 個人のクリニックでは収益の大半が設備投資に回されているため、案外キャッシュが少ないことがあります。税金の支払いはキャッシュですが、保有資産が土地や建物、設備では支払えません。税金というコストに対して、備えておくための対策が必要です。
豊福 「出資持分あり医療法人」の場合、医療法人の純資産や利益に対して相続税や贈与税がかかります。それらは譲り受けた人が払うので、後継者にはキャッシュが必要です。しかし、医療法人は余剰金の配当ができないため、保険に入ったり、報酬を上げたりすることでキャッシュを渡します。別の法人(株式会社)を設立して、そこから配当を渡すのも有効な手法です。
-M&Aによる第三者承継の場合はいかがでしょうか?
菅 医療法人と個人事業で、売却にかかる税率が異なります。医療法人の持分として売れば約20%の税率ですが、個人事業主のまま営業権(のれん)として売れば最大約55%です。M&Aであれば、医療法人化をおすすめします。
古舘 私たちが相談者に提案をする際は、売却時の額面だけではなく、税率を考慮した手取り額までお伝えしています。また、開業医は定年がないため、高齢な経営者も多いです。M&A後も非常勤医師として診療を続ける方もいるので、そういう勇退後の選択肢も提案することで、地域医療の継承に取り組んでいます。
-理想的な医業承継について教えてください。
菅 日本の税金を考慮すると、税率25%以下に抑えられたら、その医業承継は「成功」といえるでしょう。税金を抑えることは、譲渡側と譲受側の両者にとってメリットです。
古舘 急病や事故などアクシデントが起こってからでは、M&Aの成立が間に合わずに閉院せざるを得ないこともあります。クリニックの将来をどうしたいのか、早めに考えておきましょう。M&Aの場合は、2年ほどが成立までの目安です。
豊福 税金の世界の話でいうと、3年間は「直近」という認識です。親族内承継の場合、相続までの3年間に行った節税対策は、税務署から否認されるケースも少なくありません。慎重を期すなら、少なくとも5年かけて対策したいところです。
菅 地域医療を守るためにも、お早めに専門家へご相談ください。
税理士法人アップパートナーズ 代表社員税理士 菅拓摩氏
平成15 年開業。平成18年税理士法人へ移行し、代表社員税理士に就任。
株式会社フォルテワン 代表取締役 古舘慎一郎氏
平成26年、『税理士法人アップパートナーズ』入社。平成 27年、『株式会社フォルテワン』代表取締役に就任。公認会計士・税理士・M&Aコンサルタント。
税理士法人アップパートナーズ 豊福陽子氏
平成25年、『税理士法人アップパートナーズ』入社。令和2年、長崎賑町オフィス所長に就任。税理士・行政書士。
税理士法人アップパートナーズ
[住所]福岡市博多区博多駅東2-6-1 九勧筑紫通ビル9F
[電話]092-403-5544(受付 / 平日9:00~18:00)
[HP]https://www.upp.or.jp/
株式会社フォルテワン
[住所]福岡市博多区博多駅東2-6-1 九勧筑紫通ビル9F
[電話]092-260-1018(受付 / 平日9:00~18:30)
[HP]https://forte-one.com/
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2024年07月25日 発行
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