2020年8月27日 PR
いま、わが国は首都圏の一極集中から脱却し、地域の特色を生かして自律的で持続可能な社会を構築した「地方創生」が重要な課題となっている。新型コロナウイルスの感染拡大防止策を講じながら、新しい時代に適応していくことがまちの発展に欠かせない。市政の陣頭指揮を執る北橋健治市長に話を伺った。
― 今後の社会・経済活動の再開について、どのようにお考えでしょうか?
北橋 健治氏(以下 北橋) ウイルスの感染拡大防止と社会・経済活動の維持を両立し、前進していかなければなりません。本市ではその一環として、いち早く「宿泊モニターキャンペーン」を実施しました。そのほか、感染予防の取り組みに要した経費を助成する「新しい生活様式の店舗助成事業」をはじめ、時機を逸することなく実行したいと考えています。
― 市政のビジョンに変化あるでしょうか?
北橋 内閣府の調査では、東京都23区在住の20歳代の35%超は、地方移住に関心が高まっているとの結果が出ています。テレワークの普及で働く場所が自由になり、首都圏への集中から地方への分散に意識が変化しているようです。本市の魅力を内外にPRすることで、地方での暮らしの豊かさを知っていただき、社会動態をプラスにしていきたいですね。
― そのための具体的な取り組みを教えてください。
北橋 若い世代を中心とした社会動態には、魅力と将来性を感じる職場の創出が肝要です。IT産業は地方でも人材を確保しやすい業種であるため、本市は大学をはじめとした九州・山口一円の約100校とのパイプを通じ、優れた人材を採用できるネットワークを築いています。地方にサテライトオフィス開設を検討している企業にこの強みをPRするとともに、若者に選ばれる都市へと成長していきます。
― ほかにも力を入れている取り組みはあるでしょうか?
北橋 国内初の風力発電関連産業の総合拠点化や、産学官連携による介護支援ロボットの実証事業です。また、文化芸術・スポーツ振興をさらに充実させることで、まちの魅力の向上と活性化を図っており、日中韓の連携によって文化芸術・クリエイティブ産業・観光の振興を推進する文化庁の事業「東アジア文化都市」にも選定されました。
― 北九州市の目標を教えてください。
北橋 本市は、2015年に国連加盟国が全会一致で採択した「SDGs(持続可能な開発目標)」を推進し、「日本で一番住みよいまち」を目指しています。これまでに、外務省の「第一回ジャパンSDGsアワード」で特別賞を受賞したほか、OECDよりアジア初の「SDGs推進に向けた世界のモデル都市」に、また日本政府より「SDGs未来都市」に選定された実績があります。
― 海外からも高く評価されているのですね。
北橋 1901年に「官営八幡製鐵所」が操業して以来、本市は〝ものづくりのまち〞として日本の高度成長を支えてきました。一方、深刻な公害に悩まされましたが、市民・企業・行政が一体となって克服した歴史があります。その経験を生かし、本市は海外水ビジネスや環境国際ビジネスなどに発展させてきました。これらの取り組みは、「SDGs」の理念を先取りしたものです。今後は「SDGs」のトップランナーを目指し、社会課題の解決や国際貢献に努めていきたいと考えています。
― 読者にメッセージをお願いします。
北橋 本市では引き続き、ウイルス感染の再拡大防止と医療提供体制の維持・確保に取り組むとともに、社会・経済活動のレベルを引き上げていきます。市民の皆さまはもとより、市外の方々も食・自然・文化・スポーツなどを通じて本市の魅力を再発見し、楽しんでください。今後とも「日本で一番住みよいまち」の実現に向け、邁進してまいります。
北九州市長
北橋 健治氏[ きたはし けんじ ]
昭和28年生まれ。昭和61年7月、衆議院議員初当選。平成6年4月、大蔵政務次官。平成8年12月、運輸委員会筆頭理事。平成10年8月、衆議院環境委員長。平成11年11月、大蔵委員会筆頭理事。平成17年11月、地方制度調査会委員。平成18年3月、行政改革特別委員会筆頭理事。平成19年2月、北九州市長に当選。現在4期目。
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2024年07月25日 発行
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