2018年3月29日 PR
南米大陸では、コカの葉は古くから人々に親しまれてきた。現在は、アマゾンガラナをはじめとするほかの16種類のハーブとともにブレンドしたリキュール「コカレロ」などでも愉しむことができる。だが、コカの葉の複雑な風味を削がないためには、「蒸気蒸留」という特別な蒸留法が必要になるとのことだ。繊細で爽やかだが、神秘性も漂うアンデスの香り。凍る直前までキンキンに冷やして新鮮なライムを絞り、ショットやボムで飲むと素晴らしい味わいが愉しめる。
…のだが、原料も蒸留も大手の大量生産ラインに載せられるはずがないため、小規模生産者頼みとなる。こうした「クラフトリカー」は、大量生産品とは別の意味でも厳格な品質管理が必要となるため、なかなか味わう機会がないのが玉に瑕。だが、専門家によれば、それ以前に「日本はそれを味わうだけの文化的土壌が非常に弱い」という指摘もある。新規参入の壁が高い日本では、大資本の元に大量生産された安価な製品が出回り、豊かなナイトマーケットに育まれるべきアルコール文化が根差していないということらしい。
とは言え、このグローバル時代。ビールかワインか日本酒か…という私たち日本人も、希少性の高いスピリッツ(蒸留酒)の魔法に酔うチャンスが増えてきた。というわけで、今回はこのクラフトリカーの現状についてご紹介しよう。
大量生産&消費の外側に広がる 「クラフトリカー」の世界
サトウキビを原料としたブラジル原産のプレミアムな蒸留酒「サガティバ」をご存じだろうか。あるいは、戦後初めてロンドンで開かれた蒸留所の単式蒸留器が造る「マーティン・ミラーズ・ジン」なら、口に含んだ経験がおありでは。いや、フランス産のベリー系リキュール「シャンボール」の方がお好みかもしれない。
往年のレシピを再現するドイツの「ザ・ビター・トゥルース」に、ニカラグア産の老舗蒸留所のラム「フロール・デ・カーニャ」、米国西海岸のニューウェーブ系酒造ブランド「セント・ジョージ・スピリッツ」のアブサンやハンガー・ワン・ウォッカ…。これらの名前を聞いて「好きだよ」「悪くないね」と即答できる方は、かなりのアルコール通で通っているはずだ。
2000年代の初頭、各地で同時多発的に発生したクラフトリカーブームをご記憶の方も多いだろう。大手資本による大量生産に逆行するように小規模ブランドに注目が集まる流れは各分野で見られる現象なので、原材料や製法にこだわり抜かれた酒が人気を呼ぶのは当然のこと。特に、オートメーション化される以前の製法を踏襲して造られる銘柄は、やはり掌や体温を感じさせるからか、マニアックな知識を持つ人々を惹きつけるものだ。
クラフトマンシップが見事に発揮された蒸留酒を贅沢に使うカクテルの愉しみ。香港やシンガポールをはじめとするアジア諸国ではアルコール文化の一翼として根付いているが、日本では少数派だ。ご存じの通り、私たちは酒と言えばビールやウイスキー、焼酎に日本酒、ワインなどを思い浮かべるに留まっている。それはそれで楽しくはあるのだが、いまやフランスやイタリアを凌ぐと認識されることも多い「美食の国」としては、少々寂しく感じるのも確かだ。また、単にナイトライフにおける味覚の選択肢の問題だけでなく、本物のカクテルを知るバーテンダー人口が増えにくいという課題も内包する。近年の高級レストランにおけるソムリエの需要の高まりを考えれば、高度な技術と知識を提供できるプロフェッショナル育成の重要性は容易に想像できるだろう。
たとえば前述の香港では、2010年前後からバー文化が一気に花開いたという。冒頭に並べた銘柄は、この時期に現地で人気が高まり、現在は定着した高級リキュールの代表格の一例だ。だが、いくら名品とは言え、きっかけがないまま広まりはしない。時代の空気を感じ取ったとある日本企業がいち早く輸入を手がけ、当時ワインの関税撤廃に沸いていた香港の大人たちに新たな愉しみを紹介したのだ。
その企業は、本国・日本でもクラフトリカーの魅力を紹介する事業を展開している。というわけで、今回は「アイデイ商事」のマインドコンセプトをご紹介しよう。
美味しい料理を口にした時、私たちは純粋な感動を覚える。誰かと一緒であればいろいろと口で表現したりもするが、それは言葉を超える体感的な感性、すなわち「味覚」によるものだ。料理でそれを味わえるなら、同様に舌で転がす酒で愉しめないわけがない。組み合わせによってほとんど無限大の感動があるカクテルの世界は、料理に匹敵する愉しみの可能性があるはず…。
世界中のクラフトリカーを専門的に扱う商社であるアイデイ商事は、それを「プレミアムスピリッツ」というコンセプトで表現している。時代に流されず、経済原理に目を奪われることもなく、これと決めた原材料と人から人へと継いできた製法を頑なに護り続けるクラフトリカーは、製造者のプライドと情熱によって支えられている製品。これらを手にしたプロのバーテンダーが造るカクテルには、本物に出会った時にだけ浮かぶ大人の笑みを広げる力がある。それが、同社が提唱するプレミアムスピリッツのベーシックなストーリーだ。
フリーポートと呼ばれる自由度を誇る香港とは異なり、何かと障壁が少なくない日本。だが、これだけの文化成熟度を持つ国なのだから、きっかけさえあればより豊かでカジュアルなナイトマーケットが形成されるはず…と、同社は考える。実際、そうしたムーブメントが過去にあった。1980年代半ばのカフェバーやカクテルのブームがそうだ。
当時は、マティーニやモスコミュールなどのスタンダードなカクテルや大胆な彩りのトロピカルカクテルが人気を呼んだ。ディスコ&クラブを舞台にDJやアート、服飾など次々と生まれる新たな波同士が連動してうねりのようなサブカルシーンを形成したが、その後、改正風営法の施行などで沈静化。現在では「言われてみれば」とお気付きの通り、意外なほどナイトライフのバリエーションが狭くなった。
それでなくとも、各地のクラフトリカーは少数生産の高級品が多く、主に一流ホテルやオーセンティックなバーなどでしか出会えないのが現状。香港のナイトシーンでプレミアムスピリッツの可能性を見たアイデイ商事は、日本の夜にも紹介したいと願う中で、とある銘柄に出会う。それが、表紙で紹介した「コカレロ」だ。
コカを含む17種のハーブを原材料とするアンデスの飲み物で、コカの葉の複雑な風味を抽出するために考案された特別な蒸留法で製造されるプレミアムなリキュール。もちろん、日本では知名度がほぼゼロだったため、同社自身が足で市場を開拓するしかなかった。小規模のバーやラウンジを回って懇切丁寧なプレゼンを実施し、やっとの思いで50軒ほどの協力店を得たところで、それを盾に酒販店と交渉した…という「大労作」。だが、その甲斐あってコカレロの神秘性を帯びた味わいは評判を呼び、いま、人気に火が点きつつあるという。
自社で各店舗への配達も辞さないほどの情熱は、大人の社交場としてのクラブの楽しみ方と良質なスピリッツの素晴らしさを伝えたいという願いから来るもの。優れたカクテルは音楽やアートにも深く影響を与え合うため、アイデイ商事では、今後はイベントやフェスティバルの協賛にも力を入れていくという。
イーグルスのあの名曲で歌われている通り、蒸留酒は「魂」と同じ綴りを持つ。同社が掲げるプレミアムスピリッツがもたらす深遠な大人の世界、今から学んでおいて損はなさそうだ。
レモンが香るイタリア生まれのクラフトジン「マルフィ・ジン」
41% イタリア 750㎖ 3,700円(税別)
生姜を漬け込んだ世界初のジンジャー・ラム「スパイテイル ブラックジンジャーラム」
42% フランス 750㎖ 3,500円(税別)
ウォッカ発祥の地ポーランドのベストウォッカ「ヴォトカ ウォッカ」
40% ポーランド 750㎖ 1,680円(税別)
忘れ去られたインドネシア産ラムが復活「ヌサカーニャ トロピカルアイランドラム」
37.5% インドネシア・バリ島 700㎖ 3,500円(税別)
酒の輸入販売
アイデイ商事株式会社
TEL: 06-6344-0003
TEL: 06-6344-0003
https://id-shoji.com/
大阪市北区梅田1-1-3 大阪駅前第3ビル1011
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2024年09月27日 発行
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